犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしいは、元々漫画家の松本ひで吉さんがTwitterでご自宅の犬と猫のエピソードを漫画仕立てで投稿していたエッセイマンガです。
2017年2月5日から始まり、2018年3月にpixivと講談社共同開発のアプリPalcyで連載開始、同年6月にはコミック化。
2020年にショートアニメになりました。
Twitter出自の漫画犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしいですが、どんな話なのでしょうか。
動物エッセイマンガが数多ある中、犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしいがどんな人におすすめなのかもご紹介しますね!
『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』はタイトルが長すぎるので、以降『犬と猫』という略称にします。
犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしいはどんな話?
『犬と猫』はタイトル通り、ご自宅で犬と猫を一匹ずつ飼っている著者が二匹との楽しい日々を描いたショート漫画です。
犬くん…天真爛漫でいつも快活。あらゆるものを愛する超ポジティブわんこ。
猫さま…謎の重厚感を持つ強面猫さま。あまり物事に動じない孤高の存在。ツンが過ぎるが根はやさしい。
こんな正反対な二匹とのエッセイマンガは、基本的に
前半:天真爛漫な犬くんの天使のごときかわいさ
後半:猫さまの容赦ない仕打ち
と言う風に、前半で犬くんエピソードに癒され、後半の猫さまエピソードがオチになる、という流れを基本パターンに展開されます。
こう書くと、一歩間違えればオチ担当の猫さまはネガティブエピソードばかり書き連ねられているように見えますが、松本ひで吉さん独特の切り口は随所に暑苦しいほどの愛があふれているので、わたしは不思議と悪印象を感じません。
この二匹への分け隔て無い愛に裏打ちされた抜群のバランス感覚とテンポの良さ、ほとんどが2ページという短さでサクサクと読めてしまうので、Twitterととても相性が良く、あっという間に人気を博したのです。
犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしいの評判は?
そんな『犬と猫』ですが、苦手な人もいます。
悪い評判
悪い評価は主に『犬と猫の比較の仕方』に集まっています。
猫が悪者にされている?
最も多かったのがこれです。
話の流れ的に「犬→かわいい」「猫→あたりがキツイ」と猫をオチに持ってくる流れが多いため、
「犬ばかりかわいく書いて、猫がそうでないように見える」
「犬を引き立てるために猫を落とすな」
といった否定意見が多数。
かと思えば、
「逆に猫を特別扱いしすぎ」
「犬を小ばかにしている」
という意見もあり、どうしても二匹を比較するエピソードが多いことで反感を感じてしまう人は多いようです。
感動エピソードがうっとうしい
また、時折挟まる泣けるエピソードが邪魔、うっとうしいと感じる人もいるようです。
ギャグマンガとして見ていたら、「そんなもの求めていない」と思う人もいるのでしょうが、
これはエッセイマンガであり、血の通った生き物たちの話なので、楽しい面白いばかりでなく反対の側面を描きたくなるのもわかる気がしますが…
ギャグ一本の動物漫画を見たい人は、完全フィクション漫画がいいかもしれません。
良い評判
良い評判の多くは「共感できる」というものです。
犬猫あるある
犬や猫を飼った経験のある人は、犬くんや猫さまの反応に「うちの子もあるある」と共感する部分があるようです。
わたしも、時期はバラバラですが犬と猫を飼ったことがあり、「あー、うちの子もそういうところがあったなぁ」「いや、うちの子のときは逆にこうだったなぁ」などと思い出すことしきり。
自宅の生き物と比べて、似ていたり違っていたり、どちらにしても最愛の「うちのコ」と比較して思いを馳せられるのは『犬と猫』の特徴の一つでしょう。
そもそも『犬と猫』で本来の個体名を明かさず「犬くん」「猫さま」等と呼んでいる理由も「みなさまのワンコやニャンコに置き換えて楽しめるように」という配慮からなのだとか。
犬や猫と暮らした経験のある人が共感しやすい配慮や仕掛けがそこかしこに感じられる作品です。
テンポがいい
原作漫画はとにかく、テンポがいい。
なにせ、犬くんの前半で1ページ、猫さまの後半で1ページ、計2ページが基本スタイル。
作品のリズムが一定で、最後に猫さまの実写入りコマで締めるというアンパンマンじみたお約束スタイルの安定感。
Twitterは元より、5分のショートアニメとしてもキリが良くできています。
ちなみに、我が家の子どもたちが自分から手に取って呼んだ漫画は、この『犬と猫』が初めてでした。
先にアニメの大ファンになっていたため、読めない文字があってもアニメが脳内再生されて、アニメ未収録の話まで問題なく十分楽しめたようです。
それというのも、小さな子でも飽きない、わかりやすいテンポの良さと表現力の豊かさによるものだと思います。
犬くんも猫さまもかわいい!
何よりもこれでしょう。
犬くんも猫さまも、それぞれかわいい!
犬くんの扱いと猫さまの扱いに、片方をないがしろにしているように感じられる人もいるようですが、
わたしは、それぞれの特性を「個性」としてそれぞれ愛しているように感じられます。
それは、描く対象が変わっても同じです。
松本ひで吉さんは2023年8月現在、トカゲちゃんと「ガーラさん」というお名前の猫さんと同居中で、そちらの漫画も描かれていますが、
トカゲちゃんは、独特の間やとぼけたような反応が魅力的ですし、
ガーラさんは、女子力高い体育会系なノリがとてもかわいらしく描かれています。
犬くんをかわいらしく描き、猫さまをオチに持っていくスタイルに落ち着いたのも、あくまでも「客観的に見たらその方が読者に理解と共感を得られやすいから」という、漫画というものをよく理解した上でのポジショニングであって、
犬くんのことも猫さまのことも無二の家族として愛していることは、作品をよく読むことで見えてくると思います。
犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしいはどんな人におすすめ?
それでは、『犬と猫』はどんな人にあっているのでしょうか?
犬も猫も好きな人
この漫画の基本スタイルは『同じテーマでの犬と猫の反応の違い』を楽しむものなので、
やはり「犬だけ好き」「猫だけ好き」と言う人よりは「犬も猫も好き」な人の方がより楽しめると思います。
特に犬や猫の飼育経験のある人は「あるある」と共感できたり「うちの子と違う」と違いを楽しんだりすることでさらに深く楽しむことができますよ!
作者と価値観が合う人
動物とのエッセイマンガ全般に言えますが、『自分の価値観と作者の価値観が近いかどうか』というのは重要な判断基準だと思います。
特に動物モノや育児モノなど「生き物を育てる責任者」の価値観が自分とかけ離れたものだと、命に対する責任感の薄さ濃さ、求める方向性の違いなどがストレスとなり「生き物を愛していないのでは?」「責任者としてこうするべきなのに」と譲れない苛立ちが蓄積され、作品を鑑賞することが苦痛になります。
しかし、世の中に絶対の価値観というものはありませんし、漫画化されていることはあくまでも「作者が公にしてもいいと判断したほんの一場面」のことですから、それを考慮した上で自分と価値観が合うかどうか、数話見て判断するのが大事だと思います。
上記した『悪い評価』のほとんども、作者と価値観が合わないのに無理に見てしまったからではないかな、と感じます。
あくまでも娯楽作品なので、義務ではありませんから、「自分と合わないな」と思ったら見るのを止めるのが一番です。
犬くんはペットショップ出身
例えば、批判の的になりがちなのが『犬くんがペットショップ出身』であること。
犬くん自身への批判ではなく、生き物好きの中にはペットショップの経営の仕方に反発を覚える人たちが一定数おり、そんな人たちの中には「生き物好きを豪語しておきながら、ペットショップで犬を買ったのか」と非難する人もいました。
しかし、どこでどんな経緯で家族になる一匹と出会うのかは千差万別。
松本ひで吉さんご自身も、犬くんと出会った頃はペットショップ以外の方法をよく知らなかったこと、漫画を連載するようになって読者の反応から保護犬など様々な方法があることを知ったことに触れられています。
知ったうえでどう判断するかはとても大事なことですが、知らなかった過去を責めるのはナンセンスだと思います。
それよりも、犬くんが愛され天真爛漫にのびのびと生きられたことの方がずっと大切なのではないでしょうか。
短時間でサクッと笑える話が欲しい人
犬と猫は2ページで一つの話が完結している形が主流なので、とにかくサクサク進んでテンポがいいです。
アニメも5分、主題歌を入れても6分という短さなので、隙間時間にちょっと気軽な話を見たいときにぴったりです。
『犬と猫』にハマった後、他の動物アニメも探してみたのですが、テンポが物足りなく感じてしまって結局長続きしませんでした…
アニメ未収録話もまだたくさんあるので、是非第二弾、第三弾と続けてほしいです!
まとめ
天真爛漫な犬くんとツンデレな猫さまのギャップが楽しい『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』。
話が短くテンポが良く、メリハリがあって時々ホロリとさせられ、その塩梅がわたしと家族にはベストマッチです。
漫画は一話2ページ、アニメは5分と短いので、是非一度見てみてください!
犬くんの可愛さと猫さまの重厚感は、クセになりますよ~♪