ベルセルク42巻がとうとう発売されました!
なぜ42巻に注目するのかと言うと、その直前の41巻を最後に作者三浦健太郎先生が2021年5月6日に急逝されているからです。
連載さ中に作者が倒れたら、そこで絶筆となるのが常ですが、ベルセルクはその道を選びませんでした。
あまりに偉大な作品のクライマックス直前での絶筆を覆そうと、三浦先生の親友である森 恒二先生と三浦先生たちの弟子でありアシスタントのスタジオ我画が立ち上がったのです。
作者不在での連載継続という前代未聞の作品はどう描かれているのでしょうか。
その内容に迫ります。
ベルセルク42巻はいつ発売?
ベルセルク42巻は、
2023年9月29日(金)に発売されています!
作者急逝から2年越しの続刊となります。
ネタバレあらすじ
旅の途中、満月の夜にだけ姿を現してきた月下の少年。
その少年が、ガッツの目の前でグリフィスに変貌したのです。
グリフィスの姿を目にしたキャスカは悲鳴を上げ倒れます。
ガッツはグリフィス目掛け剣を振り回しますが、グリフィスはそれをやすやすと交わし、キャスカの元へ。
しゃがみ込みキャスカを抱きかかえるグリフィスの後ろから振り下ろした剣は…グリフィスを切ることができず、グリフィスはキャスカを連れて逃げ出します。
宿敵グリフィスに太刀打ちできないばかりか、キャスカを奪われたガッツの失意は筆舌に尽くしがたいものでした。
同時に妖精島全体からアルビオンにも表れた黒い生き物が湧きだし、妖精島の住民もガッツ一行も命からがら島を脱出、船に乗り込みます。
しかし、グリフィスの出現により妖精島の桜の大霊樹が消え、ダナン達は、妖精も人魚も人馬もみなこの現世に留まることができず、消えてしまいました。
妖精島の魔女たちの魔力も次々と耐えていく中、唯一魔術を使えるシールケはキャスカ捜索の魔術を使うため皆に協力を仰ぎますが———
作者不在でどうやって描いている?
しかし、原作者不在でどうして続きが描けるのでしょうか?
キーパーソンは、三浦先生の学生時代からの親友森恒二先生でした。
常日頃から互いの作品を語り合ってきた
三浦先生も森先生も、漫画家になる前からの親友。
特に漫画家になってからは、互いの作品の先行きを打ち明けあってきた仲でした。
お互いにだけは、寸劇仕立てでセリフまで詳細に再現しながら結末まで何度も見せてきた、そんな仲が40年も続いてきたというのです。
その間、森先生はいくつも作品を手掛けてきましたが、三浦先生のオリジナル作品はこのベルセルク一本。
ベルセルクに関して30年以上語り続け、その大筋は最初から変わっていないというのですから、森先生からしたら耳にタコ状態なのでしょう。キャラクターのセリフまで詳細に覚えているのだそうです。
また、今回ベルセルクの連載を引き継ぐにあたり、森先生は「三浦が自分に語ったエピソードのみやります。肉付けはしません。はっきり覚えてないエピソードもやりません。三浦が自分に語った台詞、ストーリーのみやります。」と断言しています。
そのため、新体制に入ってからはどことなくセリフや説明が少なめに感じますが、これは森先生が確実に覚えている『三浦先生のベルセルク』のみを再現していることからくるものです。
むしろ、確実に覚えていることが漫画を成り立たせられるくらいあるという記憶力に驚きます。
森先生と三浦先生は
— 羽海野🌸17巻8/29発売 (@CHICAUMINO) September 28, 2023
別々にお会いしても
三浦先生は森先生の話ばかり
森先生は三浦先生の話ばかりで
聴いている私は
とてもとても楽しかったです
だから森先生がいらっしゃるうちは
私も
ずっとこのままの気持ちなのだと思います
明日は本屋さんに行って
「ベルセルク」の新刊を買ってこよう https://t.co/HZwNIz07Bc
新体制の製作の仕方
42巻から『原作/三浦健太郎 漫画/スタジオ我画 監修/森恒二』とされています。
具体的にどこまでが森先生に寄るもので、どこからがスタジオ我画に寄るものなのでしょうか。
42巻発売に合わせた森先生のインタビューによると、ネームと下書きまでは今後のストーリーを知り三浦先生のクセを熟知している森先生が請け合い、
それ以降の実際に絵に描き起こす作業は全てスタジオ我画が担っているとのことです。
森先生の目から見てもスタジオ我画の再現度は高く、森先生が「口出しすることは無い」と太鼓判を押されています。
すごい信頼関係ですね。
42巻の評判
ベルセルク、大変なモンを読ませてもらいましたよええ……こんないつ完結するか見当もつかん、けれど最後まで読まんといかんもんをええ……
— よしかん (@kusuriuta2) October 5, 2023
ファンの皆が固唾を飲んで待った42巻。
実際に読んでみた人たちの評判はどのようなものなのでしょう。
悪い評判
悪い評判———というより「戸惑い」と言った方が近いように感じます。
多くの読者はやはり、作者自身の筆ではないベルセルクに違和感を感じているようです。
ベルセルク42巻、思うところはあるが続きを読めて良かった
— UhMiN1 (@Hm28267021) October 5, 2023
絵が似てるようで似てないのは問題ないんだが
なんだか目を閉じてる描写多くないか?
ベルセルク最新刊42巻を買った🙂✨
— みつばち団子 (@mitubachidango) October 5, 2023
42巻から三浦先生の意志を継いだスタジオの皆さんの力で製作されている👍✨
漫画家のタッチは作家の腕によって差異があることを感じた。左下は三浦先生、右下はスタジオ。同じゾッドでも重厚感が違う🧐
漫画家は線1本にも拘るというがそれがよく分かったよ🥺 pic.twitter.com/3rjL1x2p0v
ベルセルクの新刊42巻が出てたので読んだんですが、
— coroha_japan (@CorohaJapan) October 5, 2023
正直、だいぶ違和感がありますね。。。
最後までやっていただけるのはありがたいので、応援したいです。
ただ、栗パックは、もう出てこないんだろうなぁ😢
ベルセルク42巻読んだ。うーーーーーーーむ、なんと言っていいのか。難しい。雰囲気はいいけど頭がついていかない。ガッツはこういう風にグリフィスと対峙するのだろうか、キャスカは…?とか人物の情動や情緒、機微みたいなものが私にとって説得力がない。あくまで私にとってだが。
— モズグス (@322gjadwqwtq223) October 3, 2023
違和感があるのは製作側も織り込み済みで、そもそも『三浦原理主義者』を豪語する森先生自身が「完全なものにはならない」とハッキリ言いきっています。
読者もそれを念頭に置いたうえで、どこまですり合わせられるか、どこまで迫れるか、どこまで譲歩できるか―――今はまだ、製作側も読者側も失意と戸惑いと感謝の入り混じる複雑な心境にならざるを得ません。
残念ながら離れる読者もいることでしょう。
20年以上ファンを続けている私の夫も、戸惑いを隠し切れないようで、
「思っていたよりも作画がいい」と驚きながらも「読んでいるうちに、なにか違う———目、かな。うん。目が違うんだな———」と噛み締めていました。
良い評判
しかし、多くの読者は製作側の心意気を買い、好意的に受け止めているようです。
ベルセルク42巻。しっかりベルセルクで鳥肌たった。
— Jista (@Jista1976) October 5, 2023
ベルセルクの巻頭にあるガッツが運ばれているカラーがあまりにも素晴らしい絵で涙が出ました
— ナカマクン (@nakamakun627) October 5, 2023
上手く言葉にできないけど、作者が夢半ばで倒れてしまった現実とのリンクを感じます
これまで皆を支えてくれた「彼」を俺たちが次の場所に運ぶんだって、強い意志を感じました
ありがとう。これしか言葉が…
そういえばベルセルク読んだんだけど、グリフィスに全く剣が届かず心折れたガッツとその周り人々が右往左往しながらで進んでいく物語が作者不在の中手探りで物語を創り上げていくスタッフの人たちの姿と重なって良かった。少なくともここ数年の停滞したベルセルクが先に動き出していて好感が持てたよ。
— 精神世界の帝王DX (@gen665) October 5, 2023
エグいて‼️ベルセルク最新刊42巻購入❗️
— 🎀プロ市民🎀 (@ksng73938840) October 5, 2023
マジで怒涛の展開続きで最高過ぎる
これからもスタジオ我画と森恒二先生達には体壊さず安定して連載頑張って欲しい。#ベルセルク#BERSERK pic.twitter.com/ubvH8kzes0
どうやら9月29日?に発売されていようですが、知らなくて、つい先日、たまたま見掛けて即購入。
— 美濃賢治 (ミノケンジ) (@lion_vox) October 5, 2023
『#ベルセルク』の最新、42巻。
そして、ここからは、三浦せんせいは不在で、ご自身では描かれていない、1番最初の、続きの物語。
とにかく、一気に読み切りました。#BERSERK#ベルセルク最新巻 pic.twitter.com/a3TqbLtR8j
私は、森先生が「三浦が自分に語った台詞、ストーリーのみやります。」と断言されていたので、もしかしたら漫画としての形も取れないほどの断片になるかもしれない、と覚悟していたので、
実際に読んでみたら、しっかりと整合性の取れた物語が、確かな画力の元に描き出されていて驚きました。
三浦先生のいらしたときと比べたら、確かに違います。
しかし、メディアミックスのようなものだと考えたら、むしろ「よくこれだけ忠実に描いてくれた」と感嘆しますし、「この人たちをおいて他にベルセルクを描ける人たちはいない」と断言できます。
そりゃあ、本音を言えば三浦先生のベルセルクを最後まで読みたかったですが、この世界で誰よりもそう願っているのは製作陣に他なりません。
三浦先生のベルセルクは、天寿を全うした後の冥土の楽しみに取っておきましょう。
まとめ
空前絶後の傑作ベルセルク。
まさかの作者急逝により絶筆を危ぶまれましたが、志を受け継ぐスタジオ我画と森恒二先生の手によりよみがえることとなりました。
今までに例のない新体制での製作は、他にない困難な作業だとは思いますが、どうかお身体を大事にしながら最後まで描き切っていただきたいと願います。
とうとう一睡も出来なかった。
— 森恒二 Dダイバー 創世のタイガ ベルセルク監修 (@morichankenchan) September 29, 2023
恐る恐るXを開き皆さんの感想、激励を目にして涙が止まらず。
改めてしっかり最後まで皆さんと一緒に
走りきろうと奮い立ちました。
読者の皆さんありがとう!
スタジオガガのみんなありがとう!
白泉社の方々、島田さんありがとう!
三浦のドアホウ!#ベルセルク42 https://t.co/RKgBTUQoJV