映画『ムーミンパパの思い出』は、ムーミンのパペットアニメーション映画第4作目です。
ムーミンと言えば、日本では平成版アニメ『楽しいムーミン一家』や令和版アニメ『ムーミン谷の仲間たち』のイメージが強いですが、パペットアニメーション版映画『ムーミンパパの思い出』はどんなものなのでしょうか。
映画『ムーミンパパの思い出』の公開日は?
映画『ムーミンパパの思い出』の公開日は、
2023年12月29日(金)です。
何かと忙しい年末なので、気になる人は忘れないようにチェックしておきましょう!
映画『ムーミンパパの思い出』の内容は?
今回の映画『ムーミンパパの思い出』を含むムーミンのパペットアニメーション映画シリーズは、実は1978年~1982年にポーランドで制作されたTVシリーズです。
原作者トーべ・ヤンソン自身が監修し、トーべ・ヤンソンが最も愛した、原作を忠実再現したパペットアニメーションを、最新の技術でカラー修正し、原作小説のエピソードに合わせて再編集したという、普通にパペットアニメーション映画を作る以上に手間暇のかかった力作です。
なにせ、このパペットのモデル事態、トーべ氏がパートナーのトゥーリッキ氏と製作した発泡スチロール製の人形を元に作られたフェルト人形だというのですから、そりゃあトーベ氏納得の出来になるわけです。
『ムーミンパパの思い出』の内容
映画『ムーミンパパの思い出』のストーリーは、原作小説『ムーミンパパの思い出』に準じます。
ムーミンパパの幼い頃のノスタルジックなお話———ではなく、ムーミンパパの冒険譚です。
ムーミンパパと言えば、外へ仕事に出ている描写が無く、書斎で頭を悩ませながら書き物をしている姿が印象的ですが、実はムーミンパパの実際に経験した冒険小説を書いていたのです。
『ムーミンパパの思い出』は、ムーミンパパがずっと苦心して書き上げた冒険物語、という体で描かれています。
実はムーミンパパ、孤児院育ちなのですが、そこを抜け出し様々な冒険を経て今のムーミン谷にたどり着き、そこに村を開拓という波乱万丈な過去の持ち主。
そしてもちろん、波乱万丈な冒険には、個性豊かな仲間がつきものです。
主要キャラの親世代は元冒険仲間だった!
ムーミン谷のメインキャラクターといえば、ムーミン、スナフキン、リトルミィ、スニフ、スノークのお嬢さん。
実はこの内、スノークのお嬢さん以外の親世代は、このムーミンパパの冒険仲間なのです!
ムーミンパパはまず、フレドリクソンという無二の親友を得ます。
そのフレドリクソンの甥っ子であるロッドユール(のちのスニフの父)、なぜかフレドリクソンの船に居ついていたヨクサル(のちのスナフキンの父)らと共に、ムーミンパパたちは冒険に出ることになるのです。
冒険の途中では竜のエドワードや不思議な雲、おばけにうみいぬなど、冒険譚にふさわしい幻想生物も出て来ますが、
ムーミンシリーズでおなじみのモランやニョロニョロも出て来ます。
そして、ミムラの娘(のちのミィとスナフキンの母)やソースユール(のちのスニフの母)、ムーミンママとの出会いも描かれるのです。
『楽しいムーミン一家』の声優再集結!
今回の映画『ムーミンパパの思い出』、日本で話題になっている理由の一つが、吹き替えに平成版アニメ『楽しいムーミン一家』の声優を再集結させていることです。
実はムーミン、昭和に一度『ムーミン』と言うタイトルでアニメ化しており、日本にムーミンの存在を知らしめましたが、この昭和版『ムーミン』は原作者トーべ・ヤンソンに断りの無い改変が多く(スノークのお嬢さんに勝手にノンノンと名を付けたり)、トーべ氏は不満を持っていたと聞きます。
その反面、平成版と称される『楽しいムーミン一家』はトーべ氏の意思を尊重したためか(スノークのお嬢さんもトーべ氏にフローレンと名付けてもらった)トーべ氏やその後継者たちに高く評価され、良好な関係を築けています。
パペットアニメーション映画シリーズでわざわざ平成版『楽しいムーミン一家』の声優陣を揃えているのも、その証でしょう。
パペットアニメーション映画シリーズの過去の声優陣
ムーミンのパペットアニメーション映画は今回で4作目ですが、実は過去の3作品の声優陣は統一されていません。
第1作目『劇場版ムーミン パペット・アニメーション 〜ムーミン谷の夏まつり〜』は、ムーミン:野島健児、ムーミンパパ:稲葉実、ムーミンママ:高島雅羅、スノークのおじょうさん:永田亮子、ミイ:水田わさび、スナフキン:白熊寛嗣、ナレーション:小泉今日子となっていました。
第2作目『劇場版 ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーション』は、今回と同じ平成版『楽しいムーミン一家』の声優陣。
第3作目『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』は、ムーミン:宮沢りえ、ナレーション:神田沙也加、それ以外の男役は森川智之、女役は朴璐美が全てこなすという珍しい手法を取りました。
これらを経て、第4作目で再び第2作目と同じく平成版の声優陣を結集していることを考えると、やはり日本人のイメージには「ムーミン=平成版『楽しいムーミン一家』」というイメージがあまりにも根強いのかもしれません。
ムーミンのアニメの話題がTLがちょくちょく出るので、好奇心でアンケート。ムーミンのアニメは1969年から始まり、現在も沢山のアニメと劇場版が制作されています。(※原作者公認アニメ/映画は90年以降のムーミンのみ)
— 大根 / だいこん (@67247rnh) November 7, 2017
あなたにとってのアニメ『ムーミン』の声といえば誰ですか…?
ムーミンのパペットアニメーション映画の評判
すでに3作公開されてきたムーミンのパペットアニメーション映画。
それら過去作の評判はどうなのでしょうか。
悪い評判
正直、悪い評判は少なめのようです。
令和の時代になってムーミンの映画を見る人は、そもそも元からムーミン好きな人が多い、というのもあるでしょう。
ただ、時折出てくる「あんまり・・・」という声のほとんどは、アニメ版とのギャップによるものに思えます。
アニメとのギャップ
ムーミン谷の彗星、パペット劇場がアニメ劇場版と話が違い過ぎて悲しくなっています😢
— 輝星(きら) (@QUARTETwithSTA) February 7, 2023
ムーミンのアニメは昭和版と平成版があることは前述しましたが、どちらも(昭和版は特に)日本人向けのアニメーションにするうえで改変が多くされていました。
比較的平成版の方が改変が少なく、原作者にも評価されていたとはいえ、原作小説を読んだことのある人は雰囲気の違いに驚くはずです。
ほんわかなアニメと違い、結構シュールでドライな面もあるのです。
いや、平成アニメ版も絵柄がかわいい割に、意外とシュールでドライなのですが、原作はもっとダイレクトにそうなのです。
でもシリアスよりなのか、と言えばそういうわけでもなく、独特ののん気さやマイペースさ、美学も有り…本当、『独特』なんですよね。
ムーミンはパペットのより楽しいムーミン一家派ですっ(=゚ω゚)ノ
— ドス (@23ab_kkk) February 18, 2013
平成アニメ版はムーミン世界特有のこの『独特さ』を残しつつも、上手に日本人好みにカスタマイズされた作品に仕上がっています。
なので、パペットアニメーションを見ると、より原作に近い『独特さ』に面食らう人が多いようです。
パペットに慣れない
また、パペットアニメーションはストップアニメーションの一種で、人形を少しずつ動かしてコマ撮りして撮ったものです。
『モルカー』で有名になった手法ですが、手間がかかるためあまりメジャーではない手法で、現代のCGも駆使した滑らかなアニメーションに慣れている人は特にパペットアニメーションの動きに違和感を感じる人も多いようです。
良い評判
実際にパペット版を見た人たちの反応は概ね良好なようです。
原作小説が好きな人は特に親和性が高いようですね。
ムーミンにほパペット版があってそちらもこの声優さんです。
— ただの (@tadanon1) January 23, 2019
原作ファン的にはアニメより断然パペット版だぞ
「パペット・ファンタジー ムーミン谷の夏祭り」を見てきました!
— えりん (@eriiin320) July 27, 2019
2017年のも見たのですが、すごく面白いです❣️
原作のお話(面白い)をコンパクトにまとめてうまく劇にしてる(面白い)のが素晴らしい✨その上に子供たちを飽きさせない演出が随所にあって視界も楽しい✨
#人形劇団ひとみ座 #ムーミン pic.twitter.com/1ODC6sjxbr
「アニメ版よりパペット版の方が好き」と言う人も多くいました。
アニメ版とは違い、原作とも少し違うパペット版独特のゆるさや、画面の美しさにハマる人が多いようです。
おはようございます🎶
— ひらたま☆炭水化物 (@o7ZJNaHn9REm3so) July 15, 2022
映画にキルト。ぴったりの組み合わせですね🎶
私も「かもめ食堂」大好きです。あのゆるーい感じが好きです。小説も持っています。
ムーミンはパペットのアニメがかわいくて好き。
(大昔のアニメ、ムーミントロールの声優は岸田今日子さん)
ムーミンはパペットが一番好き…
— パン (@mokumeko) February 3, 2019
こゆのすきな見たことない方見てみてほしい〜RT
45年も前のパペットアニメーションが、わざわざデジタルリマスターされ、現代の人たちにも愛されるのはすごいことですね。
まとめ
45年前のパペットアニメーションを現代の技術でよみがえらせた映画『ムーミンパパの思い出』。
今回はムーミンではなくムーミンパパの若かりし頃が主役ということで、いつものムーミンとちょっと違った面白さがあると思います。
劇場公開される日が楽しみですね!