ミギとダリは、全7巻で完結している漫画作品です。
綺麗に整った絵柄とキャラデザに、シュールギャグを織り交ぜたサスペンスという独特の作風で、2017~2021年に連載されました。
そのミギとダリが2023年秋アニメとして放映!
特殊な作風は映像化するのも難しそうですが、アニメのミギとダリの評判はどうなのでしょうか。
ミギとダリの評判は?
「くだらない」「つまらん」と一蹴する人もいれば、「癖になる」「爆笑」と食いつく人もいる。
この記事を書いている2022年10月22日現在、第3話まで放映されましたが、そろそろ『合う人合わない人』がハッキリしてきそうな雰囲気です。
悪い評判
楽しみ方がわからない
原作者の前作『坂本ですが』等にも言えることですが、シュールギャグの作品は人を選びます。
細かく整合性やリアリティを考えてしまう人には、そもそも合いません。
現実的にはあり得ない無理のある所を「そうはならんやろ!」と突っ込んで楽しめる人は良いのですが、
「いや、そんななるわけないでしょ…」と引いてしまう人には寒々しく映ってしまう。それがシュールギャグ。
「よくわからないな」と思った人はサッサと切ってしまうのがいいかもしれません。
センスが古い
それもそのはず、この作品の舞台は1983年(昭和58年)です。
舞台設定に忠実に描かれていると思うのですが、それが鼻に着く人はイラっときてしまうのかもしれません。
ギャップにひいてしまう
例えば、ミギとダリの耽美な顔で発せられる「フンづまり」等の品の無いボキャブラリーセンス。
二人でいるときの狡猾な表情と、村人たちに向けられる頬を染めたぶりっ子顔。
シリアスな顔でのCGを駆使した触手や虫のような動き。
これらのギャップが「気持ち悪い」と感じる人もいるようです。
下二つはともかく、ボキャブラリーセンスの品の無さやズレたところは「幼児の頃に凄惨な目にあい、施設で育った」ことを示唆しているので、わたしはむしろリアリティを感じて興味深かったり胸が痛んだりする要素なのですが…
現代の人には「施設育ち=育ちが悪い」と偏見を助長させがちな要素も不快に思われてしまうのかもしれません。
(しかしそれも、昭和の時代には実際にあった傾向なので、リアリティを上手いことギャグに落とし込んで表現していると私は感じますが…感じ方は人それぞれでどれも正解なので、強制することはできません)
良い評判
この独特の作風に、思わず食いついてしまう人も多くいます。
ミギとダリの出だしが想像してた“2倍”は面白い件
— わら@スクラップおじさん (@kwara_kiseru) October 24, 2023
ハマる人にはハマる
上記した、ハマらない人にはむしろ寒かったり鼻に着いたりする要素が、ハマる人には逆に魅力的に映るのですから不思議です。
無理のある二人一役も突っ込みながら楽しみ、
古臭さもジェネレーションギャップとして楽しみ、
ミギとダリの特殊なキャラクター性も、多角的に「表裏一体」を表現していると受け取れる人には、他にない無二の傑作となるでしょう。
#ミギとダリ 2話
— unahyon: (@unahyon1) October 16, 2023
"ミギとヒダリ"
OP鏡の面対称で今頃気付いた
毛髪の分け目で右がミギで左がダリか
施設育ち設定による認知GAPギャグが秀逸
2人の飛鳥が冷静で上品なのも好感
冒頭とCパで毎話小出しに積上げて行く暗黒面もパズルの様で面白い
飛ぶ鳥を落とす勢いで
村人調査
飛ぶ鳥跡を濁さず
善人面か pic.twitter.com/ufnazHdZKA
声優さんの名演
まず感心するのが、ミギを演じる堀江瞬さんとダリを演じる村瀬歩さんのシンクロ率の高さです。
ミギとダリ自身が、それぞれ別の人格を持ちながら一人の人間を演じるという役柄ですが、
それを一人の声優で演じ分けさせるのではなく、堀江さんと村瀬さんという二人の声優に演じさせておきながら、秘鳥を演じるときはどちらが演じているのかわからないほど『園山 秘鳥』という架空の人物を同じクオリティで演じきっている。
堀江さんと村瀬さんの演技を堪能するのが一つの楽しみとなっています。
他にも、アクの強い園山洋子を演じる三石琴乃さんの破壊力は絶品です!
序盤の「風と共に去りぬ!」で意表を突かれた人も多いでしょう。胡散臭いほど盲目的に愛情豊かな園山洋子っぷりはまさに「原作通り」です。
ミギとダリの近似点と相違点
堀江さんと村瀬さんのシンクロ率の高さに触れましたが、話は3話を皮切りに少しずつ『ミギとダリの違い』を広げながら進んでいきます。
序盤でのシンクロ率が高いからこそ、今後、それぞれの『ミギらしさ』『ダリらしさ』がどう演じられていくのか、声優さんの演技力がかなり重要になっていくことになります。
ちなみに、前髪の分け目が右側で右利きなのが弟のミギ、前髪の分け目が左側で左利きなのが兄のダリです。
性格的にも、テントの中での作戦会議で、ダリはいつも比較的きれいな字で真面目に図面を引いたり計算をしたりして情報を整理していますが、ミギはその傍らで汚い字で落書きばかりしています。
OPでもすでに、一方だけが変顔をしたり、チェリーパイを食べたりと、二人の違いが巧みに描かれています。
話はだんだん、シュールギャグからシリアスサスペンスに舵を切っていき、二人の差を描いていくことになりますが、それがアニメでどう表現されるのか今から楽しみです。
「#ミギとダリ」3話
— ひいろ🎃🇺🇦 (@hiiro_now) October 17, 2023
復讐に向けての第一歩。
双子故に同じ思いでなく、兄弟の上下関係や損得に性格といった違いの差を絶対シリアスにはしないシュールなネタで見せる面白い構成。
兄弟の明暗を分ける甘いパイの使い方が絶妙すぎるw pic.twitter.com/NIchBNGjVa
まとめ
見る人によってハッキリ意見の分かれる『ミギとダリ』。
見る人を選ぶのは確かですが、ハマる人には他にない面白さを与えてくれることでしょう。
ぜひ最後まで丁寧にテンポよく描き切ってほしいと思います!