『薬屋のひとりごと』は2023年秋アニメとしてアニメ化されました。
「小説家になろう」初の作品の中でも随一の人気を誇る『薬屋のひとりごと』ですが、二つのコミカライズ版があり、その二つともが評価が高く、それぞれの掲載誌で看板作品になっているという実力派。
そんな『薬屋のひとりごと』がようやく待望のアニメ化となり、「やっとアニメ化来た!」とファンはもろ手を挙げて喜び、実際初回の3話連続放送の評判は上々。背景や演出の丁寧さに製作側も力を入れていることが見て取れる良作となりました。
ただ、一点。キャスティングに対して不満の声を上げている人もいるようです。
特に壬氏役がドラマCDの櫻井孝宏さんから変わっていることは大きな波紋を呼んでいます。
なぜドラマCD版から声優が変わったのでしょうか。
壬氏以外のキャスティングはどうなっているのかなど、薬屋のひとりごとの声優関係について調べてみました。
「薬屋のひとりごと」ドラマCDとアニメ版の声優一覧表
まず、ドラマCD版とアニメ版の声優はどう変わっているのでしょうか。
実は、主人公の猫猫以外全員変わっています。
キャラクター名 | ドラマCD版の声優 | アニメ版の声優 |
---|---|---|
猫猫 | 悠木碧 | 悠木碧 |
壬氏 | 櫻井孝宏 | 大塚剛央 |
高順 | 津田健次郎 | 小西克幸 |
玉葉妃 | 日笠陽子 | 種﨑敦美 |
紅娘 | 新田京助 | 豊口めぐみ |
桜花 | 上條沙恵子 | 引坂理絵 |
貴園 | 守屋亨香 | 田中貴子 |
愛藍 | 河野茉莉 | 石井未紗 |
李白 | 内匠靖明 | 赤羽根健治 |
やぶ医者(虞淵) | 小形満 | かぬか光明 |
ご覧の通り、猫猫以外総入れ替えです。
むしろこれだけ入れ替えておいて、猫猫だけは悠木さんで統一したことの方が凄いのかもしれません…製作陣によっぽど「猫猫だけは悠木さんでなければ!」と思わせたのでしょう。
しかし、これだけ声優がガラッと入れ替わっている中、声が変わったことを特に気にされているのが、壬氏役。
櫻井さんが降板したことには、他の声優さんとは違う理由も含まれているようです。
櫻井孝宏の降板理由は?
降板発表のときは全く知らなかったけど、薬屋のひとりごとの壬氏元々は櫻井さんだったのね
— JACK (@JACKyattane) October 29, 2023
見ててたしかにこの役は櫻井さんの声が合うなぁ、でも内容的にも降板して正解だ笑
今の大塚剛央もめちゃくちゃいいけどね
実は櫻井さん、少なくとも二人以上の女性と同時に交際しておきながら、別の女性と2018年に結婚。
しかし結婚後も結婚したことを伏せたまま、二人の女性と交際し続けたのだと聞きます。
櫻井さんはこの件を理由に『モノノ怪』の薬売り役や『新しい上司はど天然』の白崎優清役なども降板しているので、今回、当たり役と評判だった『薬屋のひとりごと』の壬氏役も同じ理由で降板となったのだろうと噂されています。
不倫が仕事に支障をきたすのか?
しかし、浮気や不倫をしながらも芸能活動を続け、過去にはそれをネタにする人すらいました。
櫻井さんの場合はなぜ降板が続くという厳しい状況に陥っているのでしょうか。
女性ファンへの配慮
櫻井さんの不倫問題は、結婚したことを隠しておきながら、交際女性に結婚をチラつかせて関係を続けていた、というものでした。
不倫と言うだけでも女性の印象を悪くするのに、櫻井さんに好意を寄せ結婚を望む相手の気持ちを利用し踏みにじっていたわけですから、櫻井さんに対する女性側の評判はかなり下がってしまったことが考えられます。
役の立ち位置にふさわしくない
特に壬氏は、自らの美貌を武器にしてはいますが、それは大奥に勤めながら他の男に目移りするような不届きものをあぶりだすための演技。
自分の美しさに自信はあり自意識過剰ではありますが、女性たちの問題に真摯に向き合い、時には寄り添う誠実さが必要な役です。
その役を表現する役者が不誠実な方法で複数人と不倫関係にあったとなると…役と役者の人柄は別物とはいえ、説得力に欠けると感じてしまうひともいるでしょう。
実際、『モノノ怪』の薬売りはそれを理由に降板されています。
職場への配慮
何故なら、櫻井さんの結婚相手や不倫相手の方々は、仕事仲間が多かったのです。
『薬屋のひとりごと』は後宮を舞台にしているため、声優さんだけでも女性が圧倒的に多いことがわかります。
何なら原作者も挿絵のイラストレーターも二つのコミカライズの作画担当も全員女性です。
過去に複数人との不倫が発覚したからといって、今後も繰り返すとは限りませんが、そのような不安は避けたがる製作陣があったとしても不思議ではないと思います。
実際、一般企業でも『職場恋愛禁止』を掲げるところは少なくありません。
仕事仲間同士での恋愛トラブルは、本人同士はもちろんのこと、周りへの影響もかなり大きく難しいものになるからです。
薬屋のひとりごとの声の評判は?
薬屋のひとりごとの声優の評判を、悪い評判・良い評判で分けてみました。
悪い評判
アニメの薬屋のひとりごとは声のイメージが違くて集中出来ない😔
— 👻みんちゃん👻the GazettE 新黑奏🕊 (@6minmiiiin) October 28, 2023
薬屋のひとりごと…
— Nothing fice (@Pinku_fice) November 4, 2023
見た…声が解釈不一致で見れなかった…
壬氏の方幅広過ぎやろ…
悪い評判で多いのは、「壬氏役は櫻井さんがよかった」と言う声です。
また、「全体的にイメージと違う」と言う人もけっこういるようでした。
壬氏役が櫻井さんじゃない!
やはり、先に櫻井さんの壬氏を聞きなれていた方の多くは戸惑いを隠せないようです。
壬氏といえば、無駄に色気を振りまく歩くフェロモンのようなキャラクター(言い方)なので、色気ある男性声優の筆頭である櫻井さんが降板されたことを惜しむ人は多いようですね。
友達から「やっぱり壬氏様は櫻井さんが良かったな…」ってLINE来て初めて薬屋のひとりごとのドラマCD版とアニメ3話一気見したけど…
— なっシー (@namechan1132) October 28, 2023
こーいう役櫻井さんピッタリやん!!
大塚くんの壬氏様もいんだけど、でも色気が段違いなの…動いてる映像見て櫻井さんの声で脳内再生してしまった…
薬屋見てるけど…壬氏の声何か違う…。思ったより高い…別にめっちゃ気になるって訳じゃないんだけど…もっと低い方が良かった。
— 理央@雑多垢 (@sakura_healt) November 1, 2023
猫猫はもっと淡々としていてほしかった
また、意外にも唯一声優変更のなかった猫猫も「イメージが違う」と言う人がいました。
理由の多くは「もっと淡々としていてほしかった」「ちょっと少年っぽすぎる」というもの。
薬屋のひとりごと、猫猫の声が私の脳内イメージとは違った……………………思ってたより少年寄りというかややハスキーだし他に書いてる方もいたけどもっと淡々としたイメージだったんだけどなぁ
— だぁ (@Daa_2424) November 3, 2023
薬屋のひとりごと漫画で知ってたから面白いのは知ってるけど自分の頭の中の猫猫の声とアニメの声が違うから「うーん」ってなってる笑
— 銀姫a.k.a子鼠 (@ginhime_maho) November 3, 2023
悠木さんの猫猫はアニメキャラクター(しかも主人公)としてはかなりテンション低い方だとは思うのですが、一言に「淡々としている」と言っても、どれくらいのレベルを求めるかは人によって違うので、加減が難しいですね。
アニメ版を評価する声
しかし、全体的には評価する声が大きいようです。
猫猫が原作通り!?
一番評価が高かったのは、悠木さんの猫猫です。
「淡々としている」「塩対応」という画面映えしない特徴を残しつつ、主人公らしい存在感も残すのは、かなりのバランス感覚が要される難しい役どころ。
悠木さんはそこを上手に掴まれているように思います。
昨日、有休だった家人が薬屋アニメを観たらしく✨
— 水あか✨ (@kusuriya_mizuse) October 26, 2023
旦『絵がすごい綺麗だった』
水『うんうん』
旦『あと声が違和感なかった!』
水『変更になったけど問題ないよ』
旦『ナレーションが食パンマンで、🍜てんしが梅梅の声やってたね』
アソパソマソにたとえるなー😂
梅梅小姐は藩さんのお嬢さんです🥹
大好きな薬屋のひとりごと、アニメ版が叩かれるのは良い気持ちじゃないなあ…
— つぶお(タメ◎)3y👦🏻2y!👧🏻 (@2m84228618) October 26, 2023
べつにいいじゃんどっちでもとしか思わんわ…
作画とか音楽とかさいっっこうだけどね!!?猫猫の声も壬氏の声も脳内再生と違和感無く最高だし、私的には大大大満足で観てるよ〜!!!ビッグラブ!!
薬屋のひとりごと見たぁ"い!!予告見たんだけど猫猫の声合いすぎてビビる。悠木碧さんやっぱすごいわ…尊敬。テスト終わったら一気見するなり。
— しゃしゃ🍨 (@suzuki_flute11) November 4, 2023
薬屋のひとりごと、マジでいいな
— じゅん (@SJAD_FH) October 27, 2023
猫猫が悠木碧なのキャスティング神だし他のキャラも基本声合ってて最高なので布教委員会つくります
薬屋のひとりごと、猫猫の声が全く可愛くないの良いね
— 有寄ノアリ (@Rererere1225) November 3, 2023
薬屋のひとりごと、録画を観たけど今回は猫猫が追い出される時の声がすごく面白くて好きだったw
— 光の民アゼム (@hikarinotami_) October 29, 2023
悠木碧さんの絶妙は言い方が好きだなぁ。
大塚さん壬氏の方がイメージに合う人も
アニメ版の大塚剛央さん演じる壬氏も評価されており、中には「櫻井さんより大塚さんの方がイメージに合う」と言う人も少なからずいるようです。
薬屋のひとりごとの壬氏様、オタクは大体ご存知のアレコレで声優さんが初期のPVからは変わってたんだけど、めちゃくちゃ馴染んでていいな、なんならこっちの方が漫画で読んでて想像してた声に近いや
— 🐷🤍 (@pigutan_kawaii) October 30, 2023
薬屋のひとりごとさくさく見れる
— 鈴原 (@izu_SUZUHARA) October 30, 2023
壬氏の声優の大塚さんの声がとても心地よい声だなぁ
この前暇だったから薬屋のひとりごと11巻まで読んだけど楽しかったなー!アニメやってる!壬氏の声誰かと思ったらたけおかーい!普通にかっこいいな
— れんげ🌸🍁 (@renge_0606) November 1, 2023
かくいう私も、どちらかというと大塚さんの方が壬氏のイメージに近く感じています。
確かに色気は櫻井さんに軍配があがりますが、壬氏の実年齢や本来の人柄を考えると、大塚さんの演技の方が素の壬氏を素直に演じてくれそうで期待しています。
脇役の配役もいい!
また、猫猫と壬氏以外も、脇役の評価も高いのが特徴。
小蘭役の久野美咲さんの小動物のようなかわいらしさは、それこそ原作通りですし、
薬屋のひとりごとに久野美咲が出てるけど相変わらず声が可愛すぎる!!この人の声、幼女というか赤ちゃんみたいで癒やしと可愛さが限界突破してるんだよな。恐ろしい才能 https://t.co/r4yHhPlJKt pic.twitter.com/oy2NKF1zW6
— 撈月らお (@rougetsurao) November 2, 2023
種崎敦美さんの玉葉妃の、朗らかでいて知的な雰囲気は素敵です。
薬屋のひとりごとにも出てるけどほんとわからんのよなぁ玉葉妃も好きなキャラやしめっちゃ良い声好きな芝居👏👏👏
— ヌマ🔥の床沈🎌 (@sa9ra9ra) November 3, 2023
少し出ただけですが、猫猫の父役の家中宏さんの人のよさそうな演技も印象的でした。早く出番がきてほしいです。
おう、薬屋のひとりごとの猫猫のお父ちゃんの声は家中さんやったかーちょっと嬉しい
— ゆすら@skeb募集中 (@yusura16v02) October 27, 2023
葵叉丹の人
評判が二分する理由
しかし、これだけ評判が正反対に分かれるのも珍しいですが、それには理由があります。
『薬屋のひとりごと』は小説版が原作ですが、コミカライズが2パターンあり、双方が共に高い評価を得ているのです。
恐らく読者が多いのは原作小説以上にコミカライズの方ですが、この時点で人気、そして解釈が二分しています。
例えば、アニメ版猫猫の評価が「塩対応でいい」と言う人と「もっと淡々としてほしい」「抑揚あり過ぎ」と感じる人がいますが、
原作小説の猫猫は恐ろしく淡々としています。サンデー版もそれに習って比較的クールに描かれていますが、ビッグガンガン版の猫猫はギャグ調で猫耳をはやしたり、年相応に愛らしく描かれています。
こう書くと、ビッグガンガン版は解釈が間違っているように感じられるかもしれませんが、ここで注意したいのが、原作小説は猫猫の一人称で描かれている、という事です。
一人称小説というものは、主人公の目を通した解釈で物語が描かれます。
しかし、主人公の視点が常に正確に事実を記録しているわけではありません。そこには一人の人間の限界として、主人公自身の知り得た情報しか描かれない『視野の狭さ』と、主人公の解釈で彩られた『主観』と言うものが必ず情報を偏らせているのです。
何が言いたいかと言うと、猫猫本人は自分のことを感情が乏しくかわいげもない冷めた人間だと思っていますが、周りから見て本当にそうなのかは他のキャラクターの言動から推し量るしかなく、そこに解釈の余地がかなりあるということです。
猫猫は頭の回転が速く、知識が豊富で、比較的冷静さを保ち続けられる丹力があり、物事を客観的に見ようと努力できる人物ですが、一度激情に駆られるとあっさり視野が狭まり、薬のことで浮かれて踊ったり、高貴な方々の目の前で恫喝したりしてしまう気の短さもある人物。
実際は、本人が思っているほどは冷めたキャラクターではないことは察せられるように原作小説でも描かれているので、ビッグガンガン版の猫耳猫猫も十分あり得る範囲内なのです。
そしてこれは、声のイメージや声優さんの演技にも言えることです。
恐らく、原作小説ファン、サンデー版ファン、ビッグガンガン版ファンの間で各キャラクターのイメージはある程度差があるはずです。
なので、アニメ版の声優の評価も自然と二分してくるのです。
アニメ『薬屋のひとりごと』
— 宇田川 宙 (@6uchu9) October 31, 2023
アニメいいですねー!声をあててる声優さんの声質がキャラクターそれぞれぴったりで耳心地良いですー。しかもナレーターは島本須美さんで耳心地最高峰のお一人です~♪ピンク髪玉葉妃の種崎さんも耳心地~。主役猫猫のしゃべり方も最高。悠木碧さん♪ pic.twitter.com/sL2RUnaDnN
個人的に、ビッグガンガン版のファンは壬氏=櫻井さんのイメージが強く、悠木さんの猫猫が物足りなく感じ、
サンデー版ファンの方には悠木さんの猫猫にもっと淡々とした感じを求める傾向があるように感じています。
あとがき
「今期の覇権では」とも噂されるアニメ版『薬屋のひとりごと』。
ところが、二種類のコミカライズも評価が分かれるように、声優の受け取り方も二分しているようです。
しかし、作りが丁寧でストーリーが面白いことは、見た人の多くが太鼓判を押しています。
アニメ版もまた『薬屋のひとりごと』の中の一作として、他のメディアミックスと切磋琢磨する存在になってくれると面白いですね。