『進撃の巨人』は、2021年に別冊少年マガジンで無事に連載終了しました。
2009年に連載開始してから、12年間もかけて繰り広げられた物語は、国内外問わず多くの人たちに注目され、読む人の心を震わせました。
原作完結に合わせて、アニメの進撃の巨人も『進撃の巨人 The Final Season』と銘打ち、アニメ会社を変えて製作。こちらも無事に最終回まで完走することができました。
しかし、この『進撃の巨人 The Final Season』、「Final」と言っておきながら『Part1』『Part2』『完結編(前編)』『完結編(後編)』とあり、「どこがFinalなんだよ!?」と散々突っ込まれることに。
なぜ進撃の巨人ファイナルがいくつもできることになったのか、見る順番や、それぞれがどれくらい時間がかかるのか、原作を見るべきかなど、
『進撃の巨人 The Final Season』を見る順番は?
『進撃の巨人 The Final Season』を放映された順番は以下のようになります。
- 進撃の巨人 The Final Season Part1 (2020年12月7日 – 2021年3月29日)
- 進撃の巨人 The Final Season Part2 (2022年1月9日 – 4月4日)
- 進撃の巨人 The Final Season 完結編(前編) (2023年3月4日)
- 進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編) (2023年11月5日)
見る順番は、シンプルにこの時系列順で見ましょう!
『進撃の巨人 The Final Season』が分かれた理由
進撃の巨人 The Final Seasonが「Final」と言いながら複数シーズンに別れてしまった理由は、まず製作・公開年にあります。
原作の『進撃の巨人』が雑誌連載で最終回を迎えたのが2021年4月9日。最終巻第34巻が発売されたのが2021年6月9日。
しかし、『進撃の巨人 The Final Season Part1』が公開されたのが、2020年12月7日。
まだ原作は2020年9月9日に第32巻が発売されたばかりでした。
つまり、見切り発車だったのですね!
とはいえ、話はすっかりクライマックスに入っていたのは確か。『進撃の巨人』は原作者も深く監修しているアニメなので、原作者の意図を汲んで『Final』と銘打っていたのは間違いありません。
製作会社の変更
実は進撃の巨人、それまでの『進撃の巨人』Season1~Season3はWIT STUDIO(Production I.Gから独立した子会社)が製作を担当していましたが、『進撃の巨人 The Final Season』だけMAPPAに変更されました。
Season3までが物語の中でちょうど区切りの良いタイミングであること、クリエイターのステップアップ等を理由にWIT STUDIOは『進撃の巨人』の製作を降りたそうですが、無責任に放り出したわけではありません。
後続を担ってくれる製作会社を何十社も探しましたが、その困難さを理由に断られ続けていたところに、「『進撃の巨人』はファンのために作品として最後まで終わらせるべき」と立ち上がってくれたのがMAPPAだったと言います。
WIT STUDIOや監督の情報交換・引継ぎも綿密に行われたそうです。
別製作会社から引き継ぐというだけでも大変なうえに、当時はまだ原作は連載中で先が分からない状態。原作が2巻分溜まるたびに脚本を書いていたということですが…
原作を知っている方はわかりますよね?あの複雑で一切の無駄がない伏線の絡み合った情報量多すぎる作品ですよ。
恐らく新刊が出るたびに、せっかく書いた脚本を書き直したり、エピソードの順番や取捨選択等の構成を直したりと、大変な作業だったことでしょう。
そりゃあ、『The Final Season』とか言いながら延長に延長を重ねて『完結編(前後編)』まで作らなければいけなくなるわけですよ。
実際、完結編も最初は一本で収める予定だったところが「想定より大幅に作業量が膨れ上がってしまい」前後編に分けざるを得なくなってしまったとMAPPAがツイートしていたそうです。
これは並大抵のことではなかっただろうことは想像に難くなく、よくぞ途中で投げ出さずに最後まで完走してくれたものだと感謝せずにはいられません。
WIT STUDIOもMAPPAも、仕事を超えたアニメ制作者としての熱意とプライドがなければできないことです。
まだ完結もしていなかったというのに、その熱意とプライドをかけるだけの価値がある、と思わせた『進撃の巨人』もまた、すごい作品です。愛されていますね。
原作漫画を読むべき?
原作漫画も読みましょう(即答)。
『進撃の巨人』のクライマックスは諫山先生も悩みに悩んだらしく、雑誌掲載時と単行本掲載時で加筆修正がすでにいくつもされています。
しかし、それでも足りなかったらしく、アニメ化の際に原作者の意向であえて変更されたシーンやセリフが多々あります。
そう考えると、一番最後に作られたアニメ版が真のエンディングのようにも思えますが、実はその新しい情報を加えるために削られたものもあるのです。
例えば、原作の最終回ではミカサたちがこの世を去った後のパラディ島のその後、繫栄と衰退も描かれます。
そして、最後の最後に、ある意味全ての因縁の始まりを想起する場面で終わるのです。
エレンとアルミンの「道」での会話も、終盤が大きく違います。アニメ版のエレンが下した自己評価はあまりに切なく、痛々しいものでした。漫画版のようにアルミンだけでもこう言ってくれても個人的にはよかったのですが、その違いを考えると「どちらが正解」とも言い切れず、今も考え込んでしまいます。
このように、原作とアニメでの変更点を見比べることで、より深く見えたり発見できる点も少なくありません。
おかげで、アニメ版が放送終わって一カ月以上たった2023年12月26日現在も、ネット上の考察は終わりが見えないほどになっています。
『The Final Season』は原作の何巻何話?
『進撃の巨人 The Final Season』が原作の何巻何話に該当するのか、一覧表にするとこうなります。
アニメ | 原作漫画 |
---|---|
Part1(全16話)(約6時間半) | 第23巻第91話~第29巻第116話 |
Part2(全12話)(約4時間半) | 第29巻第117話~第32巻第130話 |
完結編(前編)#地鳴らし、#89自由の翼、#90絶望の淵にて(1時間55秒) | 第33巻第131話~第134話 |
完結編(後編)#91天と地の戦い、#92心臓を捧げよ、#93長い夢、#94あの丘の木に向かって(1時間24分55秒) | 第34巻第135話~第139話(最終話) |
所謂『マーレ編』と呼ばれる部分ですね。
もしも『進撃の巨人 The Final Season』を全部一気に見るとしたら、原作漫画だと12巻分、アニメだとザッと13時間半ほどかかる計算になります。
かなりボリュームはありますが、伏線がかなり複雑に絡み合っているので、『The Final Season』だけでもできるだけ間を置かずに見ることをお勧めします。
私は間を置きすぎてかなり後悔したので… 改めて漫画を一気見して、ようやくいろいろと繋がりました。
まとめ
序盤から衝撃的な展開が多く、一世を風靡した『進撃の巨人』ですが、
その後も目を離せない展開が続きながら、話の規模がどんどん大きくなり、果ては世界を巻き込む最終回を迎えました。
アニメも製作会社は変わったものの、前製作会社も協力の上で延長に延長を重ねた丁寧なフィナーレ『進撃の巨人 The Final Season』を迎えることができました。
そして、原作もアニメも最終回までの情報が出そろった今、今度はファンの間での答え合わせや考察が過熱しています。
進撃の巨人は、アニメ製作会社にもファンにも、関わった多くの人たちに永く愛される作品となりました。