ジョジョとは、かの有名な少年漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のことです。
あの独特の世界観をミュージカルにするということで注目が集まっていたのですが、その最初の数公演が上演直前に中止となりました。
その告知タイミングや対応がネット上で話題になり、一部炎上騒ぎとなってしまいました。
ジョジョのミュージカルはなぜ中止になってしまったのでしょうか。
その告知が直前になってしまった理由は何なのでしょう。
公式がどのような対応をし、いつから再開されるのか等、『ジョジョの奇妙な冒険』のミュージカル(以下『ジョジョミュ』)の気になる動向と情報をこちらでまとめてみます!
ジョジョミュの中止理由は?
2日前ともなると、交通費や宿泊費もキャンセル料の発生するタイミングですし、告知に気づくことが遅れたらキャンセル事態不可能になることすらありえます。
なにより、何カ月も前からスケジュール調整をし「いよいよ明後日だ」と楽しみにしていたファンの心を踏みにじり、深い嘆きを与えました。
しかも、告知当初はただ「公演中止」である旨が伝えらえた以外の情報がほとんどなく、そのことでも非難されることとなりました。
2024年2月6日当日に公式サイトで公開された説明には以下のように綴られています。
【前略】
この度の公演中止は私ども東宝株式会社の本公演製作における見通しの甘さ、製作体制の不行き届きが招いた結果でございます。ご観劇を楽しみにされていたお客様をはじめすべての関係者の皆様に心より深くお詫び申し上げます。
【中略】
本作品については、弊社製作体制のもと、その複雑な演出プランに対応するための確認作業が想定以上に必要となったことなどから、稽古の進行が予定より遅れておりました。帝国劇場における舞台上での稽古開始後も、ぎりぎりまで、予定通りの初日に向けて一同で力を尽くして参りましたが、さらなる修正・見直し等が発生するなどしたことから、進行の遅れを挽回することができず、協議を重ねた結果、スタッフ・キャストの安全確保の観点からも、初日を延期し、上記4公演を中止せざるを得ないという判断に至りました。
かかる事態は、全くもってあってはならないことであり、弊社ではその責任を重く受け止めております。
【後略】
https://www.tohostage.com/cancel2024_1/20240206.html
あれだけの独特で濃い世界観を舞台で表現するのは、並大抵のことではありません。
必要なのは役者の演技や衣装だけではなく、舞台上の立ち位置やタイミング、それに合わせた様々な舞台上の演出や効果を調整し、寸分たがわず全てをハメなければあの世界は成り立たないでしょう。
実際に上演する舞台に合わせてそれらを組み合わせていくのですから、想像を絶するものがあったことが伺えます。
上記のような説明の元、2月6日(火)~2月8日(木)の公演が中止されましたが、
2024年2月8日には、さらに2月10日(土)・2月11日(日)まで中止が延期されることが発表されました。
このため、中止になった公演は以下の7公演に上ります。
- 2月6日(火) 18:00開演の部
- 2月7日(水) 18:00開演の部
- 2月8日(木) 13:00開演の部
- 2月8日(木) 18:00開演の部
- 2月10日(土) 13:00開演の部
- 2月10日(土) 18:00開演の部【貸切公演】
- 2月11日(日) 13:00開演の部
ジョジョミュは第何部?
今回のミュージカル、正式なタイトルは『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』。
そう、長きにわたる『ジョジョ』シリーズの最初、全ての因縁の始まりとなる第1部を描きます!
ジョジョシリーズは第3部で「スタンド」という設定が加わったことで爆発的な人気を得たとはいえ、
初期の勧善懲悪物として血沸き肉躍る展開、
濃いキャラクターとそれを象徴する名台詞の数々、
そしてシリーズを通して悪役として君臨するディオ・ブランドーという吸血鬼の誕生、
と、今でも根強い人気があり、ジョジョシリーズを語る上で避けては通れないシリーズです。
つまり、今回この玄人好みの第一部をまずミュージカル化したということは、今後各シリーズを順にミュージカル化する可能性も大いに秘めているという事になります。
今回の「ファントムブラッド」がどれだけ成功するのか、がぜん期待が高まるというものです!
ジョジョミュのキャストは?
しかし、アニメ化も難しいのではと言われてきたほどあれだけ濃いキャラクターの面々。
ミュージカルにするとなると、配役も気になるものです。
特にディオ・ブランドー役は、もしもジョジョミュが第2部以降も続くことになるようなら、他シリーズでも同じ配役となる可能性があります。
ジョジョミュのキャストはどうなっているのでしょうか?
キャラクター名 | キャスト(一人目) | キャスト(二人目) |
---|---|---|
ジョナサン・ジョースター | 松下優也 | 有澤樟太郎 |
ディオ・ブランドー | 宮野真守 | |
エリナ・ペンドルトン | 清水美依紗 | |
スピードワゴン | YOUNG DAIS | |
ウィル・A・ツェペリ | 東山義久 | 廣瀬友祐 |
切り裂きジャック | 河内大和 | |
ワンチェン | 島田惇平 | |
ダリオ・ブランド― | コング桑田 | |
ジョースター卿 | 別所哲也 |
ジョナサン・ジョースターとウィル・A・ツェペリのみWキャストとなっています。
ディオ・ブランドー役が宮野真守さんという配役は驚きでしたが、声優も舞台もこなす宮野真守さんがどんなディオを見せてくれるのか楽しみですね!
ジョジョミュ公式の対応は?
公式は最初、中止の告知しかしなかったため、チケットの払い戻しすらあるのか不透明だったのです。
真面目にジョジョミュの話は
— 宮間 (@mya_maru) February 6, 2024
・公演中止に至った経緯は後日説明の場を設けさせていただきます
・返金対応以上の補償については現在協議中
・振り替え公演等の代替案についても追って詳細を発表させていただきます
この辺の一文が最初の声明に少しでも織り込まれていたらここまで炎上しなかったよ帝劇 https://t.co/ocBRjMZEae
ミュージカルなどの演劇の観劇に慣れているファンによると、演劇関係は今までも、公式側の理由での公演中止や延期であっても、チケット代の払い戻しだけで終わることが多かったようです。
そのため、演劇ファンたちには泣き寝入りする空気がありました。
しかし、今回は勝手が違います。
なにせ原作があの『ジョジョの奇妙な冒険』ですから、演劇畑の今までの慣習を知らない漫画ファン、アニメファンが多かったのです。
彼らはチケット代だけで終わらせる姿勢に異を唱えました。
演劇やミュージカルは映画などとは話が違い、公演場所も回数も限られており、ファンは何カ月も前からスケジュールを調整してきます。
当然、交通費宿泊費がかかる客も多く、もっと言えばそのたった1日に向けてファッションやグッズを整え、気分を上げて向かうのです。
実際に演じる劇場側だけでなく、ファンだってその日のためにあらゆるものをつぎ込んでくるのです。
それを、不手際によって取り上げられただけでなく、お情け程度のチケット代だけで済まされてなるものか、とジョジョファンは義憤しました。
その結果、公式は以下の内容すべてを負担することにしました。
- チケット代
- チケット販売手数料とシステム利用料
- 中止発表以前に手配済みの交通費・宿泊費のキャンセル料
- キャンセルが叶わなかった場合、交通費と1公演日につき1拍分の宿泊費
また、入場券を持つ観客向けに配信の無料視聴も考えているという事です。
これは、ミュージカル中止の代償としては異例の待遇ですが、ファンからすればそれでも『生で公演を見る機会を奪われた』という事実は覆しようがない以上、せめてこれくらいは保障してもらわなければ割に合わない、というのが本心でしょう。
劇場側も今後の対応を考え直す機会になるよう望みます。
まとめ
独特な世界観を成立させるためか、複雑な演出プランの確認作業の遅れ、稽古の遅れなどの理由から、初回7公演を中止するという事態になりました。
劇場側が当初、これまでの慣例通りチケット代の払い戻しのみで済まそうとしたところ、ジョジョファンから激しく糾弾されたことにより交通費や宿泊費なども負担するという異例の対応を示すことになりました。。
7公演は中止したものの、その後の公演は無事に開催され、評判を呼んでいます。
劇場側は、このような理由での中止を極力避けることはもちろんのことですが、もしも中止せざるを得ない場合、観客に対して真摯な対応をするように心がけてほしいと思います。
今回の件が、劇場とファン双方にとってより良い関係を深めるきっかけになることを願います。