映画『ゴールデンカムイ』が2024年1月19日から放映開始しています。
漫画もアニメも評価が高いとはいえ、いろいろ無茶のある内容をまさかの実写化するということで、最初はネガティブなコメントも多くありましたが、
キャストのビジュアルが出たとたん、世論は一転。
特に、一番難しいと思われていた鶴見中尉と土方歳三役があまりにもハマっていたため「これは見てみたい」と意見を変える人が続出しました。
しかし、映画はコスプレではありません。どんなにビジュアルが良くても、映画としてどうなのかはまた違う話です。
実際に公開されてみて、映画『ゴールデンカムイ』の評価はどうなっているのでしょうか。
また、原作やアニメでのどこまでを映画化しているのでしょうか。
気になる『ゴールデンカムイ』の感想をまとめてみましょう!
映画『ゴールデンカムイ』は原作・アニメのどこまで?
映画『ゴールデンカムイ』で描かれる内容は、
漫画の第3巻第20話『喰い違い』、アニメの第1期第5話『駆ける』までです。
内容で言うと、鶴見中尉に捕らわれた杉元が二階堂を倒して逃げ、アシリパさんと合流。桜鍋を囲んで杉元・アシリパ・白石の3人パーティが正式に結成されるところまでです。
長い物語の中のかなり序盤、ようやく基本設定が固まったところですね!
映画終盤では次回作への引きや今後登場するキャラクターも見られたそうなので、反響の大きさも鑑みると、次回作の製作は確定とみていいでしょう!
映画『ゴールデンカムイ』の評判は?
原作のかなり序盤までしか描かれなかった今回の映画『ゴールデンカムイ』。
実際に見てみた人たちの評判はどのようなものなのでしょうか。
悪い評判
悪い評判のほとんどが、やはり長編漫画を実写に落とし込むことの難しさを感じさせる点です。
また、原作忠実再現にこだわっていることは見た人全員が納得するところなのですが、そこにこだわりすぎて「実写映画としてどうなのか?」と疑問を示す人も出ました。
話が進まず、展開が弱い
ゴールデンカムイは、ストーリーとしてはスロースターターな話です。
ギャグ要素や文化的知識等で飽きさせない工夫はさせながらも、杉元・アシリパ・白石の基本パーティが固まるまで紆余曲折あり、序盤ではそれを丁寧に描きました。
逆に言うと、基本設定の説明に尺を使います。
今回の映画は良くも悪くも原作順守にこだわったため、ようやくこの3人パーティが固定されただけのところで今作は終わります。
序盤も序盤です。プロローグです。『ゴールデンカムイ』としての熱い盛り上がりには、まだほど遠いところです。
各キャラクターの魅力もまだ秘められた状態です。
そのため、今回の映画だけでは「盛り上がりに欠ける」「ダレてしまう」と感じてしまう人もいたようです。
食事シーン・ギャグシーンでテンポを乱してしまうことが
『ゴールデンカムイ』の醍醐味の一つである食事シーンや、重すぎる話を軽妙にしてくれるギャグシーンもまた、原作に忠実である分、難を感じる人もいました。
全体的にどうしても重い話、グロいシーン、鬼気迫るアクションが連続する中に挟まるこれらが、実写映画としては「唐突に感じる」「そこだけ現代的な喋り方・リアクションで現実に引き戻されてしまう」という人も。
衣装がきれいすぎる
これが日常ドラマだったらあまり気にされなかったのかもしれませんが、これは血なまぐさい『ゴールデンカムイ』です。
サバイバルや戦闘を経ているのに、皮膚だけは汚れて傷ついていても、衣装が汚れていない。
他の再現度や作りこみが高い分、この「きれいすぎる衣装」に現実味が薄れ、コスプレ感を感じてしまう、という声が多くありました。
実写映画に合わない演出
漫画やアニメでは効果的な演出が、必ずしも実写に合っているとは言えません。
「キメゴマでいちいちスローにする」「画面の真ん中で、カメラ目線で叫ぶ」といった、漫画やアニメでは多用される演出に、実写映画として不自然さを感じてしまう人もいたようです。
良い評判
見た人の多くは、原作に忠実に再現されていること、要所要所のこだわりが強いことを高く評価しており、
『完璧な実写化』『実写化の完成形』とまで熱弁を振るう人も少なくありません。
原作に忠実
金カム映画、ものすごく金カムだった…
— ジャコ (@jakokko) January 23, 2024
妙なオリジナル設定もなければ寒いギャグシーンも過剰なキャラ強調も誰も望んでない恋愛要素もまっったく無く、全ての登場人物が重量のある3次元化に成功してた
これはベタ褒めです
山崎賢人は凄い ヒグマは怖い
やはり、原作ファンとしては「もしも原作を実写化するとしたら」と妄想したものがそれ以上の出来で再現されたことに感動と感謝の嵐です!!
ゴールデンカムイはファンタジー要素こそないものの、身体能力やキャラクターなどが特殊すぎるため、少しでも再現度がお粗末だと途端に説得力が無くなり陳腐になってしまいそうですが、
ファンの期待以上の再現度を実現してくれたおかげで、その心配は全くいりません!
配役が素晴らしい
やはり、漫画を実写化する場合大きく影響するのが、配役でしょう。
キャストが決まった時こそ、「杉元が小柄で細すぎる」「月島がでかい」「谷垣が薄い」「アシリパさんが成人女性⁉」等と突っ込まれたキャスティングもありましたが、
映画が封を切った途端、「体格差が気にならないくらいアクションがいい」「表情や演技の再現度が高すぎて、本人にしか見えない」「初期垣はこれくらいだった」「アシリパさんの透明度がアシリパさん」「アシリパさんの変顔がアシリパさん」「二階堂の動きのキモさとシンクロ率が想像以上」等など、心配要素は払しょくされました。
特に、やはり鶴見中尉と土方歳三、さらにはアシリパの祖母フチまでもが「本人にしか見えない」と、改めて大絶賛されています。
一番再現度が難しそうなキャスティングがそろって絶賛されている実写作品はなかなか無いですよね!
キャラクターの個性に合わせたアクション表現
アクション表現も、それぞれのキャラクターの個性が出ており、
杉元の鬼のような不死身っぷり、
アシリパさんの透明感のある弓矢、
白石のぬるっと感、と、
キャラクターそれぞれの動きやしぐさもうまく演出・表現されています。
鶴見中尉の人間離れした動きとカリスマ性まで実写化できるとは思いませんでした…
ココの鶴見中尉は原作中尉もアニメ中尉も玉木宏中尉も最高なんだけど、何が凄いって原作とアニメに劣ることなくめちゃくちゃカッコイイ動きしてる玉木宏 中尉。全部良いなんて奇跡みたいな作品だな。#金カム映画 #ゴールデンカムイ pic.twitter.com/nRSyMNX0Sf
— また会えるよ。🍊🏐🐈🐈⬛🗑 (@mataaeruyoQ3) January 22, 2024
4DXに最適
ゴールデンカムイは2月16日(金)から4DX版も公開されているのですが、これがまた評判がすこぶる良いです!
戦場、大型肉食獣、冬の北海道と、それぞれ別々の迫力がより現実味を帯び、まさにその場にいるかのような臨場感を演出しています!
「銃や弓矢で撃たれた」「血しぶきかかった」「ヒグマの息がかかった」「鶴見中尉いい匂い」等など、経験者たちのリアルな悲鳴がSNS上にも次々と報告されています。
金カム4DX感想
— sui (@sui3yume1) February 17, 2024
・推しに殴られる体験ができます
・鶴見中尉がものすごく良い香りです
・音も光も煙もすごい…立体感がある
・推しが殴れているときの気持ちが分かります
・鶴見中尉がものすごく良い香りです
・203高地のときの迫力がえぐい…
・鶴見中尉がものすごく良い香りです
ただし、グロテスクなシーンも多いゴールデンカムイなので、そこの覚悟はしておいてくださいね!
まとめ
実写化決定した時はかなり心配され、一部荒れているところまであった『映画ゴールデンカムイ』ですが、
実際に封を切ってみると、再現度の高さ、こだわりの強さに、多くのファンが納得する出来となりました。
ただ、話が全体のプロローグ部分までなので、どうしても「ゴールデンカムイらしさ」を求めるにはまだ物足りなさがあるのも事実。
それぞれのキャラクターが光りだすのもこれから先なので、是非続編、続々編と長く続けてほしいと思います!
ただその場合、どうしても実写するわけにはいかないキャラクターやエピソードも盛沢山なのがゴールデンカムイの悩ましいところなのですが…
地上波アニメのように「そこだけ特典映像で」というわけにはいかないでしょうし、どうするんでしょうね…