いのまたむつみ先生の急逝が報じられ、驚きと嘆きの声が相次いでいます。
他の追随を許さない、触れれば折れてしまいそうな繊細な線と色使いで様々なものを描かれてきたイラストレーターいのまたむつみ先生。
いのまたむつみ先生と言えば、テイルズのイメージが強い人も多いと思いますが、ドラクエやラノベ業界からも追悼のコメントが寄せられています。
いのまたむつみ先生の代表作や、ドラクエとの関係など、いのまたむつみ先生のご活躍や最後の仕事をあらためてまとめてみます。
いのまたむつみさんの年齢と死因は?
訃報は、実妹がいのまたむつみ先生ご本人のX(旧Twitter)を通して、同年3月18日に報じられました。
偶然とはいえ、3月に入ってから漫画家の鳥山明先生、声優のTARAKOさんと昭和晩年~平成初期から活躍された60代の方の訃報が続いており、多くのファンが悲しみに暮れています。
妹さん曰く「ほんとうにあまりに突然の事でまだ色々考えられない状況です」とのこと、描きかけのラフもあったことから、ご本人も身近な人にも予期できなかった別れであったことが伺えます。
ファン、関係者の皆さまへ
— いのまたむつみ (@inomatanekomata) March 18, 2024
いのまたむつみの妹です。 pic.twitter.com/yp6BCTzXcS
いのまたむつみさんの生前の活躍
イラストを見れば「見たことある」と思う人が多いと思いますが、具体的にどの作品で見たのか思い出せない方もいるかもしれません。
それくらい、様々なジャンルで活躍された方でした。
最後のお仕事
いのまた先生最後のお仕事は、2024年2月21日(水)~2024年2月26日(月)に小田急百貨店にて開催された『ねこ展』だったようです。
2月の #猫の日 に合わせて昨年も好評の小田急百貨店新宿店で #ねこ展 開催🐈⬛
— ねこ展 (@ginza_nekoten) January 25, 2024
2月21日(水)〜26日(月)
小田急百貨店 新宿店7階=イベントスペース
営業時間10:00〜20:30
※最終日は17:00閉場
2024年の『ねこ展』も皆様と楽しんでいきたいと思いますので、どうぞ会場にお立ち寄りください🐾 pic.twitter.com/5wkRv8OaMj
いのまた先生は、ご自身の猫好きが高じて、毎年このねこ展にご参加されていたそうです。
本日は天気も良くてよかった
— いのまたむつみ (@inomatanekomata) February 24, 2024
ねこ展のサイン色紙は終了いたしました!ありがとうございます pic.twitter.com/GHU7dWxyjZ
本当、いのまた先生に愛らしいものを描かせたら、右に出る者がいませんね…
テイルズシリーズ
いのまた先生の代表作と言えば、やはりテイルズシリーズのキャラクターデザインでしょうか。
テイルズシリーズは、一作目の『テイルズオブファンタジア』は藤島康介先生が担当されましたが、二作目の『テイルズオブデスティニー』はいのまたむつみ先生が担当され、以降、メインタイトルのほとんどを藤島先生といのまた先生がほぼ交互に担当する状況が続きました。
それが、『テイルズオブエクシリア』で男女W主人公、しかもキャラクターデザインも藤島先生デザインのキャラクターといのまた先生デザインのキャラクターが両方存在するという趣向を取り、話題となりました。
この趣向の評判が良かったこともあり、『エクシリア』『エクシリア2』の後発売された『テイルズオブゼスティリア』では藤島先生、いのまた先生に続き奥村大悟先生、岩本稔先生も同時に担当。
その後は、藤島先生、いのまた先生、奥村先生を主軸に複数のイラストレーターがキャラクターデザインを担当する形が定番になりました。
特に、テイルズシリーズを初期から支えてきた藤島先生とは親交もあり、2024年の1月にはX(旧Twitter)上で年始の挨拶を交わすコメントも見られていました。
いのまた先生の訃報に、テイルズ公式も動揺を隠せず、藤島先生も「片翼を失ったようです」とコメントしています。
いのまたむつみ先生のご逝去に際し、生前のご功績への感謝と、深い哀悼の意を捧げます。
— テイルズチャンネル+ (@tales_ch) March 18, 2024
先生の生み出して下さったかけがえのないキャラクター達との絆がいつまでもファンの皆様の心の中で輝き続けていけるよう、『テイルズ オブ』チーム一同これからも大切に物語を紡ぎ、歩んでまいります。
片翼を失ったようです。もう取り戻せません。でも進み続けます。受け取ったものをまた先に送ることになるので。ありがとうございました。
— 藤島康介@トップウGP13巻2月22日発売🏍 (@fujishimakosuke) March 18, 2024
小説版ドラクエの挿絵
わたしが初めていのまた先生のイラストに触れたのは、これかもしれません。
実はいのまた先生、ライトノベルの挿絵も多く担当されており、特に小説版ドラゴンクエストシリーズはいのまた先生の描く新たなドラクエ世界と小説の繊細な描写がマッチした意欲作でした。
鳥山明先生とは全く違う絵柄なのに、驚くほど説得力のある画で、ゲームとは違うドラクエ世界に夢中でのめり込んだのが昨日のことのようです。
個人的には、いのまた先生オリジナル解釈のピサロとロザリーのデザインがすごく好きでした…
いのまたむつみ先生ご逝去の報に接し、編集部一同、謹んで哀悼の意を表し、ご冥福を心からお祈りいたします。
— スクエニ公式ゲームガイド (@SQEX_GAMEGUIDE) March 18, 2024
1989年に発売した小説ドラゴンクエストに始まり、数多くの素敵なイラストでこの世界に彩りを添えていただき、本当にありがとうございました。… pic.twitter.com/rebvJo8Mwi
アニメ、キャラクターデザイン
いのまた先生は、実は最初はアニメーターとしてデビューしていました。
原画を担当していたものの、キャラクターデザイナーとして頭角を現し、1984年にフリーになって以降もキャラクターデザイナーとして様々な作品を手がけました。
特に印象が強いのは以下の作品でしょうか。
- 風の大陸
- 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
- ブレンパワード
- セイクリッドセブン
『風の大陸』は原作小説の挿絵から担当されていたため、いのまた先生のキャラクターデザインがそのままアニメに起用された形です。
いのまた先生の出世作の一つと言っても良いのではないでしょうか。
まとめ
アニメ、ゲーム、ラノベ文化に大きな功績を残されたいのまたむつみ先生。
その繊細な筆致から、多彩なキャラクターと世界観を生み出し続けてくださいました。
心よりご冥福をお祈りいたします。