『ルックバック』は、2021年に『ジャンプ+』で公開され話題になった漫画です。
原作者が『ファイアパンチ』『チェンソーマン』の藤本タツキ先生ということで注目されたとは言え、公開2日足らずで閲覧数400万回を突破し、SNSでもトレンド入りしました。
ファンタジー色のない地味な内容ながら、多くの人に刺さる問題作として、様々な業界の著名人にも言及され、一部表現については炎上までしました。
そんな『ルックバック』の映画化が決まり、ネット上は再びざわついています。
映画『ルックバック』の公開日や原作情報、
炎上し修正した箇所は映画化でどう表現されるのか、など、
映画『ルックバック』の気になる情報をまとめていきます!
映画『ルックバック』の公開日は?
映画『ルックバック』の公開日は、
2024年6月28日(金)からです!
地味で大人向けの内容だからか、連休などとは関係のないタイミングでの公開ですね。
原作は何巻?完結している?
『ルックバック』は長編読み切り作品なので、単行本1巻で完結しています。
ページ数も全143ページと、単行本としては少な目なので、読みやすいですよ!
声優は誰?
2024年4月23日現在、公開されている声優は主人公2人だけです。
- 藤野役・河合優実
- 京本役・吉田美月喜
二人とも20代前半の若い女優さんです。
アニメの声優も初挑戦同志とのことですが、PVを見る限り初めてとは思えない安定感。
等身大の演技が、絵柄ともキャラクターともよく合っていると感じました。
炎上シーンは映画でどうなる?
『ルックバック』が映像化されると聞いて、ファンが気になるのはこれではないでしょうか。
『ルックバック』原作で炎上し、修正することになったシーンは、映画化にあたりどう表現されるのでしょうか?
まず、それがどのようなシーンで、どう修正されてきたのかを簡単に説明します。
重要なネタバレとなりますので、ネタバレが苦手な方はお気を付けください!
炎上シーンと炎上した理由
『ルックバック』は、漫画を描くことが好きな二人の少女藤野と京本が切磋琢磨する話です。
一度は二人で協力して漫画家デビュー。読み切り作品も何作も描いて人気も出たのですが、
途中で京本が美大への進学を望んだため、京本は美大へ、藤野だけが漫画家を続けることになります。
しかしある日、京本の美大に凶器を持った不審者が侵入。京本は命を奪われてしまいます。
掲載当初、事件の記事や不審者の言動から、「精神障害による幻聴に導かれ、「自分の作品をパクられた」と勘違い、逆恨みからの凶行」であることが読み取れました。
これが、「京アニ事件」を想像させること、精神障碍者の描写が当事者たちへの誤解を助長させることなどを理由に炎上したのです。
2度にわたる修正
一部読者たちの炎上、クレームを受け、『ルックバック』は修正されました。
「ジャンプ+」上での修正では、不審者は「創作に対する蔑視を持つ」無差別殺人者として描かれたのです。
しかし、これもまた不評を買いました。
『ルックバック』に含まれる大きなテーマの一つに、「暴力的に創作を奪われる恐怖」があります。
不審者の言動はその象徴であったため、その言動を変えてしまうことは作品のテーマが変わってしまうことに繋がってしまうからです。
また、あくまでも創作物の一表現を現実の問題と直結させて、専門性を求めたり配慮を求めることに対する疑念も噴出しました。
それを受けてか、単行本化の際にさらに修正されます。
不審者の精神疾患による「幻聴」描写は削除されましたが、「自分の創作をパクられた」という勘違いからの暴力という面は残したのです。
やはり、不審者の言動はこの作品の重要な要素の一つだったのでしょう。
映画化ではどうなる?
以上を踏まえて、映画化の際にどの表現が採用されるのか、気になりますね。
ここではあくまでも私個人の予想ですが…
無難な線で行くのなら、「ジャンプ+」での修正、無差別殺人者としての表現でとどめる可能性が高いのではないかと感じます。
映画化ともなると、触れる人目も比べ物にならないくらい増えます。
スポンサーとの兼ね合いなど大人の事情も入ってくるため、映画化の際には表現の自由がさらに狭まることはよくあることです。
それが、実際の事件を連想させるものとなると、さらに配慮が必要となります。
危ない橋は渡れない、というのが正直なところではないでしょうか。
ただ…個人的な理想が叶うのならば、単行本での修正に準じた表現になってほしいと願います。
やはり、不審者の言動にはこの作品の大きなテーマが潜んでいます。
そして、元になった事件に対しても、『ルックバック』という創作を通してそれがどれだけ残酷なものであるのか、を表現するのも創作の役目ではないか、と思うのです。
事件を事件として、事実の羅列を聞くだけでは想像が及ばないものがあります。
創作には、その「及ばない想像」をより深め、警鐘を鳴らす役割があると思うのです。
映画は多くの人を巻き込む表現手段なので、簡単にはいかないとは思いますが、せっかくこの作品を映像化するのなら、やはりその大きなものに挑戦してほしいと思うのです。
まとめ
創作をする人が共通して抱く痛みや恐怖に向き合った作品『ルックバック』。
精神疾患の描写が理由で炎上しましたが、そうまでしてでも描きたかったテーマには多くの人たちが心動かされました。
映画『ルックバック』でどのように表現されるのかは気になりますが、作品の真髄をとらえた映像化になるように期待しています!