楳図かずお先生は、ホラー漫画の巨匠としてあまりにも有名な方です。
その反面、テレビなどのメディアでも活躍し、印象的な赤と白のボーダーの服と「グワシ」の指の形は、一度見たら忘れられないインパクトがありました。
そんな楳図かずお先生が、亡くなりました。
ここでは楳図かずお先生の死因やエピソード、代表作等に触れていきます。
\Amazonブラックフライデー/
\11/29〜12/6の期間限定/
楳図かずお先生の死因と年齢
楳図かずお先生は、2024年10月28日に亡くなられました。
死因は胃がんです。
胃がん発覚からの経緯
2024年7月に自宅で倒れ搬送されたときに、末期の胃がんであることが発覚。
同年8月、ご自身の著作権を一括管理する『一般財団法人UMEZZ』を設立しました。
9月2日には88歳のお誕生日を迎えます。
9月からは都内のホスピスにて、「痛いのは嫌い」と注射や点滴、手術を拒否し、投薬のみの終末期医療を受けていました。
9月22日には、新しい連作絵画『JAVA 洞窟の女王』に取り掛かっていること、その一点を当時開催中の『楳図かずお大美術展-マンガと芸術の大転換点-』にて発表したばかりでしたが、10月に入って体力が低下。
そして、10月28日。看護師にお気に入りのドリンク剤とおにぎりを所望。
ドリンク剤を少量口に含み「おいしい」と言うと、穏やかに息を引き取ったそうです。
10月28日15時40分、永眠。
享年88歳でした。
楳図かずお先生のエピソード
楳図かずお先生といえば、テレビでの明るくテンションの高いキャラクターが印象的でした。
独特の価値観を持ち、その言動に驚かされた人も多かったはず。
そんな楳図かずお先生の有名なエピソードをご紹介しましょう。
1995年 休筆
楳図かずお先生といえばホラー漫画、恐怖漫画家として有名ですが、実は1995年に筆を置いて以降、ついには亡くなるまで漫画執筆からは離れたままでした。
その原因が、実は、当時の小学館の編集者だというのです。
『14歳』という作品を執筆中の当時、どのような話の流れなのかはわかりませんが、新人編集者がげんこつの絵を描いて見せ「手はこう書くんですよ」と述べたのだと言います。
楳図かずお先生の作品をご存じの方は、そのデッサン力の高さもご存じでしょう。
それも、40年間も第一線で活躍し続け、数々の話題作も描いてきた巨匠に対しこの言動は、さすがに無礼千万。
楳図先生はこの一件と、漫画家の職業病とも言える腱鞘炎を理由に、漫画執筆から離れてしまいました。
それから30年近くもご健勝で活躍されたことを考えると、漫画界にあまりにも大きな傷跡を残してしまったと言えます。
2007年 まことちゃんハウス
楳図かずお先生といえば、『まことちゃんハウス』を思い出す人も多いのではないでしょうか。
楳図かずお先生が、2007年にご自宅を改築した際、外壁を赤白のボーダー柄で染め上げた、通称『まことちゃんハウス』。
その建設中に、近隣住民から「景観を損ねる」と訴えられ、裁判沙汰になったことで世間の注目を浴びてしまいました。
建設差し止め仮処分申請されたものの、東京地裁は「本件地域には建物の色彩について法規制や建築協定などもないこと」「本件建物周辺には様々な色彩の建物が存在し、地域内の建物外壁の色彩が統一されているわけではないこと」等を理由に、10月12日にこの請求を却下。
その後も原告側に改めて塗装中止を求める訴訟、建物完成後は外壁を撤去するまで毎月10万円の損害賠償を請求する訴訟を起こされますが、2009年1月28日、東京地裁に「周囲の目を引くが、景観の調和を乱すとまでは認められない」とし、請求を棄却されました。
注目されたきっかけは、裁判沙汰という不名誉なものではありましたが、
そのポップな外観は、赤白ボーダーをご自分のラッキーカラーと謳い、メディアでも常に赤白ボーダーの服で笑顔を振りまく楳図かずお先生にあまりにもピッタリで、
一般的には楳図かずお先生の象徴として好意的に受け止められました。
このご自宅は、楳図かずお先生の代表作『まことちゃん』が出窓に飾られていることから『まことちゃんハウス』と呼ばれるようになります。
気になる『まことちゃんハウス』の今後ですが、2024年11月7日現在、公式には何も発表されていません。
記念館云々の噂が出ていますが、あくまでも追悼のために『まことちゃんハウス』に駆けつけたファンの一言が流布されたもののようです。
まことちゃんハウスの内観
外観ばかりが取りざたされますが、この『まことちゃんハウス』は内装にもこだわりがありました。
実は、各部屋ごとに壁の色が塗り替えられていたのです。
玄関ホールは緑、リビングは白、寝室は黄色、書庫は青、屋根裏部屋は赤と、独特のこだわりは余念がありませんでした。
楳図かずお先生の代表作
楳図かずお先生は、14歳と言う若さでデビューしてから筆を置くまでの約40年間の間に、様々な作品を手掛けられましたが、
その中でも有名なのは、第20回小学館漫画賞を受賞した『漂流教室』、「グワシ」の『まことちゃん』、最後の連載作品『14歳』ではないでしょうか。
漂流教室
ある日突然、学校ごと岩と砂漠だらけの荒廃した土地に漂流することになった小学生たちを主人公とする問題作『漂流教室』。
彼らが降り立ったのは、文明の崩壊によって滅んだ未来の世界。
大和小学校6年生の高松翔ら小学生たちは、教師たちも全員失ってしまった学校を拠点とし、『国』を築いて様々な困難を乗り越えようと奮闘するという話です。
「『十五少年漂流記』を学校ぐるみでやる」という発想の元、「時間を超えた母子の愛」や「公害」をテーマとしており、多くの反響がありました。
まことちゃん
楳図かずお先生の自宅『まことちゃんハウス』の名前の由来にもなった作品『まことちゃん』。
幼稚園児の沢田まこととその一家が巻き起こす、下ネタエロネタ満載のギャグマンガです。
ギャグマンガを説明するのも無粋なので、詳しくは本作をお読みください。
14歳
前述した『漂流教室』の、地球が荒廃するまでの話です。
人工培養鶏肉が知性を持った『チキン・ジョージ』が、その年生まれた子供が14歳になると人類と地球が滅ぶことを知り、動物たちを連れて地球脱出ロケット「チラノサウルス号」を建造するが———
話はやがて、各国の選ばれた子どもたちを主人公に据え、14歳までのタイムリミットを抱きながら宇宙での生存の道を探していく、哲学的なSF作品となっています。
楳図かずお先生死去のまとめ
唯一無二の作品を描き続けた巨匠楳図かずお先生。
2024年7月に発覚した末期の胃がんを原因に、同年10月28日、88歳で亡くなられました。
数々のエピソードを残しましたが、その屈託のないキャラクターと卓越した作品は、今後も愛され続けることでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。