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メイドインアビスはグロい?鬱展開が流行る理由とは

メイドインアビス』は、愛らしいキャラデザに不思議な動植物と世界観が魅力の作品です。

2012年から原作漫画の連載が始まり、2017年7月にアニメ1期を放送。

その後も2019年1月に劇場版総集編が2編、2020年1月に完全新作劇場版を経て、2022年7月6日にアニメ2期が放映されることが決まりました。

メイドインアビス原作の連載開始からすでに10年も経過しますが、不定期連載で年2回ほどしか更新されないため進みが遅く、これだけ長いスパンであるにも関わらず劇場版3編で繋いだうえで2期のアニメ化が叶うほど人気の衰えない稀有な作品です。

そんなメイドインアビスの評判には何故か「グロい」「鬱展開」という、かわいらしいキャラデザには似つかわしくない不穏な言葉がつきまといます。

こんなかわいい絵柄で「グロい」「鬱展開」なんて可能なの?

と首をかしげる人も多いようですが…

目次

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メイドインアビスの簡単なあらすじ

http://miabyss.com/index_1st.html

その世界には、『アビス』と呼ばれる直径1000mもあり、文字通り底が知れないほど深い縦穴があります。

アビスの底は深すぎて、約1900年前に発見されて以降、探窟家と呼ばれるアビス専門の探検家たちが調査し続けてもその底には未だ至ることができていません。

何故なら、アビスは特殊な力場による独自の環境が発達しており、さらに一度アビスに潜ったら上昇するたびに受ける『アビスの呪い』と呼ばれる上昇負荷が探窟家たちを悩ませ、命を落とさせることも少なくないからです。

しかし、このアビスは『遺物』と呼ばれる不思議な人工物の宝庫。ものによっては国同士のバランスすら影響するような遺物まであります。

それに何より、アビスの特殊な環境、動植物はアビスの呪いをもってしても探掘家たちの強い好奇心を立ち止まらせることができないほどの魅力があります。

穴の淵どりに位置する街オースの孤児院の子どもたちも、そんなアビスにあこがれを抱く探窟家見習い赤笛』です。

http://miabyss.com/chara01.html

その一人であるリコは、探窟家の中でも一番位の高い『白笛ライザを母親に持つ少女。

あるときの探窟作業中に謎の熱線に命を救われたリコは、その熱線の跡に倒れていた少年型ロボットを保護します。

記憶を失ったそのロボットに『レグ』と名付け、孤児院に潜り込ませて過ごしていたある日、リコの母親であるライザの封書と探窟家の証『白笛』そのものが地上に上がります。

笛だけが上がることは探窟家の死も意味していましたが、封書の中にはレグに似た絵や「奈落の底で待つ」と書かれた1枚も紛れており、

リコ母親に会うためレグ自分が何者かを知るためにアビスの底を目指す旅に出発します。

 

メイドインアビスのグロいシーンは何話?

まず大前提として知っておきたいのが、アビス独自の上昇負荷アビスの呪い』です。

これはアビスの深さによりレベルが違い、深層に行くほど重いものとなります。

深界一層軽いめまいと吐き気
深界二層重い吐き気と頭痛、末端の痺れ
深界三層二層に加え、平衡感覚の異常、幻覚、幻聴
深界四層全身に走る激痛、体中の穴からの出血
深界五層全感覚の喪失、それに伴う意識混濁、自傷行為
深界六層人間性の喪失、もしくは死。詳細不明。上昇負荷により異形と化した者は『成れ果て』と称される。
深界七層確実な死。詳細不明。
深界八層詳細不明。

はい!もうこれで察してください!

絵本のようなかわいいキャラデザに騙される読者もいるようですが、同時に画力があることにも着目してください!

元がかわいいからこそ、余計きついです!!

上昇負荷はとても重要な情報なので、原作でもかなり早い段階で公開されるのですが、もうこれだけで私は読むのをやめようかと思いましたその直感が当たっていたことが辛いです…

それでは、具体的にグロいシーンを上げていきます。

苦手な人のためにできるだけ端的に書きますが、想像力豊かな方は気を付けてお読みください。

http://miabyss.com/story13.html

漫画2巻第10話 アニメ第5話 ナキカバネによる探窟家の捕食

ナキカバネは、獲物の声を模倣し、その声に寄ってくる獲物をさらに捕食する生物。

…つまり、仕留めた獲物の声を発しながら、その声の主を捕食するわけです。

漫画では遠目に表現されてはいましたが、虫がたかっていたりと描写がリアルなことと、ナキカバネのこの生態が相まって、ショッキングなシーン第一号として上げられます。

漫画3巻第19話 アニメ第10話 毒を受けた腕の骨を折り、切断する手術

タマウガチという生物の毒針を受けた腕を、毒の進行を食い止めるために手術するシーンです。

もちろん、麻酔なんて便利なものはありません

患部を切断する際には骨の切断に手間取るため、先に骨を折る必要があります。

しかも患者は深界四層の上昇負荷で朦朧としています。

体中から血を拭きながらのたうちまわる姿、それを助けるために心が折れそうになりながら必死に手術する姿、どちらも痛々しくて見ていられません。

漫画3巻第20話 アニメ第11話 『成れ果て』ミーティ登場

『成れ果て』というだけで「グロい」と表現することに抵抗はあるのですが…成れ果ての中でもミーティは訳あって二人分の呪いを一身に受けてしまったため、初見ではショックを受けてしまう人が多いと思うので紹介しておきます。

顎と鼻が無くなるほど口が縦に避け、歯がむき出しになり、毛むくじゃらの獣の中身を溶かしてつぶしたような姿をしています。

漫画3巻第23話 アニメ第13話 ミーティが成れ果てになる話

ミーティの現在の成れ果てとしての姿から察してください。

それも、実験のために騙されて無理やり上昇負荷を与えられる流れが心理的にもキツイ話です。

恐らくここで脱落した読者も多いのではないでしょうか。

http://miabyss.com/story13.html

漫画4巻第27話 劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』クオンガタリの寄生

クオンガタリはアビス内外に広く咲く花トコシエコウの葉に擬態した虫です。

生物の頭幼体を寄生させ、生餌とします。

寄生された人の目の奥から幼体がひしめいている描写まであります。

漫画4巻第30~31話 劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』腕の切断

毒による手術とかではなく、敵につかまり切断されてしまう描写です。

メイドインアビスはこういう『痛み』の描写はもとより、幻覚幻聴や意識混濁などの『感覚』や『意識』の変化の描写がとてもうまく、その分読んでいてキツイです。

漫画5巻第36~37話 劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明」生きた呪い除け道具『カートリッジ』にされる

ここに至るまでに羅列された容赦のないグロ描写に『生きた』『道具』で想像がついた方もいるかもしれませんね。

頭の中身から背骨の途中までと、数日間の消費期限を生きられる分のはらわたを残して他は全部生きたままそぎ落とし、再び肉と皮で包んで骨代わりの箱に詰めて加工した道具『カートリッジ』。

その犠牲となるシーンがあります。

ちなみにこの第20話~37話までのグロ展開は、ある特定の白笛が元凶です。

漫画5巻第36~37話 劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明」五層の上昇負荷により錯乱状態の幼少期

出演:富田美憂, 出演:伊瀬茉莉也, 出演:井澤詩織, 出演:森川智之, 出演:水瀬いのり, 監督:小島正幸

とあるキャラクターが、幼少期に五層の上昇負荷を受け精神崩壊していた頃の話が出てきます。

五層の上昇負荷(全感覚の喪失、それに伴う意識混濁、自傷行為)というだけでキツイのに、その対象が幼児で、もう痛々しい以外の何物でもありません。

メイドインアビスはちょっと、年端もいかぬ子どもを傷めつけ過ぎではありませんかね…?

漫画7巻第47話 自らの腕をもぎ取るシーン

とあるキャラが約束を果たすために、自分で腕をもぎ取ります。笑顔で。

漫画8巻第50~51話 異形の子供を食す

まだリコたちの街ができる以前の原住民たちによる探窟隊決死隊』の話。

その決死隊は第六層で飲み水に当たって全滅の危機に瀕しますが、そのうちの一人の女性が遺物の力で九死に一生を得ます。

しかしその代わりに身体が崩れ、小動物のような子どもを産む身体となります。

そしてこの異形の子供が調理され、それを食した隊員たちは回復していくのです。

漫画10巻第57話 アビスの原生生物たちとの戦闘

不死のキャラクターが戦いの中で、あまりにも多数の原生生物たちに身体を食いちぎられ死ぬこともできず戦い続ける描写があります。

それを見て守られる一方だった村人たちが自分たちを差し出し、不死のキャラクターに食わせて力をつけさせるのです。

 

なぜメイドインアビスは過酷な鬱展開が必要なのか?

まだ連載途中なので確固とした答えは出せませんが、

鬱展開が必要な理由の一つに「生き物は何かの犠牲の上に生きている」というこの世の真理が強く根付いた作品だと感じます。

それが例え、外見が愛らしかったり年端もいかぬ子どもだったとしても、です。

その立場は表裏一体で、いつ自分が『犠牲』の側に回るのかもわからない。

禍福も生死もあざなえる縄のごとく、決して切り離すことはできず、すべての生き物が『絶対』の保障などない命をその瞬間ごとに必死に守って生きている。

第2巻で、レグがリコに「探窟家たちを捕食してきた原生生物を自分が食べることに抵抗を感じないか」と聞くシーンが印象的です。

しかしリコは、彼らは生き物の糧となり、その生き物をまた自分たちが糧とすることで自分たちの力となってくれること、アビスで生き延びるにはそれくらいの強かさ仲間たちとの協力関係が必要であることを諭します。

メイドインアビスはグロ描写も多い反面、料理それを仲間たちと囲む描写も多くある作品です。

目を覆いたくなるほど辛い現実があっても、生き延びるためにはそれらを糧として生きていく強かさが必要であることを示唆しているようでもあります。

メイドインアビスは過酷な冒険譚ですが、生きていくことそのものが冒険であると言い替えることもできるかもしれません。

まとめ

かわいらしい少年少女が主人公でありながら、あまりにもグロい描写、鬱な展開が多いため、無理に薦めることはできませんが、

決してそれらは不必要に無神経に描かれているものではなく、

生きていく強さを込めた作品であることが伝われば、幸いです。

…でも本当にキツイものはキツイので、自分の耐性に合わせて自己責任でお楽しみください。

くれぐれも無理は禁物ですよ。

メイドインアビスのTVアニメ2期は、2022年7月6日から放送開始です。

それまでにアニメを振り返っておきたいですね。

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