ライトノベル作品の中でも代表的な「とあるシリーズ」ですが、鎌池先生が作者の原作小説『とある魔術の禁書目録』を軸に、複数の派生作品が展開しています。
そんなとあるシリーズですが、派生作品がいくつもあるので、所見の人にとっては「それぞれの作品の時系列ってどうなってるの?」「順番が分からん…」て悩むことが多いと思います。
それなりに観ている人でも訳分からなくなったりしますよね。
※以下はネタバレ満載なのでご注意ください。
とあるシリーズの一覧
軸となる原作、代表的な外伝作品を紹介していきます。
余談ですが、外伝作品をパッと見ると、科学サイドのものばかりですね。
とある魔術の禁書目録
いわずとしれた本編であり、主人公・上条当麻をはじめとしたキャラクターが活躍する作品です。
2020年7月の時点では、旧約22巻、新約23巻、創約2巻が発売され、合計47巻!
テレビアニメ化が3回され、それぞれのタイトルと放送時期は、
とある魔術の禁書目録(第1期)
2008年10月~2009年3月
とある魔術の禁書目録Ⅱ(第2期)
2010年10月~2011年4月
とある魔術の禁書目録Ⅲ(第3期)
2018年10月~2019年4月となっています。
とある魔術の禁書目録のアニメ化について
アニメは旧約22巻までを映像化しました。
あらすじは、不幸な男子高校生である上条当麻が、不思議なシスター・インデックスと出会ったのをキッカケに、学園都市で生活しながらもインデックスを狙う魔術組織と戦いに巻き込まれていきます。
やがて学園都市だけに収まらない戦いになっていき、上条だけでなく彼に影響を受けた人々の戦いも展開していくことになる、というもの。
魔術サイドと科学サイドの両方での戦いが描かれます。話が進むと登場人物がとても増え、上条さん以外の主人公達も台頭していきます。
上条さんを始め、禁書目録に登場した御坂美琴、一方通行の人気は特に高く、彼らが主役の外伝作品が出てきたほどです。
とある科学の超電磁砲
禁書目録の中でも随一の人気を誇るヒロイン・御坂美琴が主人公の漫画作品です。
とあるシリーズの代表的な外伝作品であり、原作の禁書目録に並ぶ人気を誇る作品です。
2007年から月刊コミック電撃大王で連載しています。作画は冬川基さんが担当。
原作は、巻数が現時点で15巻。
アニメ化は禁書目録と同じく3回放送され、それぞれのタイトルと放送時期は、
とある科学の超電磁砲(第1期)
2009年10月~2010年3月
とある科学の超電磁砲S(第2期)
2013年4月~9月
とある科学の超電磁砲T(第3期)
2020年1月~
OVAも発売されました。
あらすじ
美琴が後輩の白井黒子、初春飾利、佐天涙子と共に平和な日常を過ごす傍ら、学園都市の闇に触れる計画や陰謀を解決する、というもの。基本的に科学サイドのみの戦いで、魔術サイドはほとんど関わりません。
基本的には美琴を中心にした展開のため、禁書目録の主人公の上条さんが登場しないことが多いです。
代わりに、上条さん以外にも一方通行やアイテム、スクールのメンバーなど、禁書目録で出てきたキャラも登場します。
禁書目録の内容を知る人にとっては、「あの事件の裏では美琴達はこんな行動をとっていた」などニヤリとなるぐらい、禁書目録と密接した内容もあります。
とある科学の一方通行
禁書目録の裏主人公・一方通行(アクセラレータ)が主役の漫画作品です。
月刊コミック電撃大王で2014年から連載しています。作画は山路新さんが担当。
巻数は現時点で11巻。
アニメのタイトルと放送時期は、
- とある科学の一方通行 2019年7月~9月
となっています。
あらすじ
あらすじは、脳を損傷される事件の後に無事退院した一方通行が、学園都市で起きる事件に巻き込まれながらも解決するもの。
事件を解決するという基本的なところは超電磁砲と同じですが、違う点ももちろんあります。
一方通行のダークなキャラクターも相まって、学園都市の闇により深く表れている作風です。また、超電磁砲では登場しない魔術要素も少し出てきます。
禁書目録の旧約5巻以降の時間軸にあたります。
基本的には一方通行が無双する話です。
以前より弱体しているにも関わらず。学園都市最強は伊達じゃない。
とある科学の未元物質
2020年3月から連載されたばかりで、巻数はまだ1巻です。作画は如月南極さんが担当。
禁書目録では出番の少なかった垣根帝督にスポットが当たるので、展開が読めないです。レベル5第2位という重要なポジションでありながら謎が多かったので、コミカライズに歓喜したファンも多いのでは?
まだアニメ化はされておりませんが、垣根帝督の活躍はもちろん、彼の秘密が分かるかもしれないので、今後が楽しみな外伝です。
とあるシリーズの時系列
禁書目録、超電磁砲、一方通行のアニメの時系列をまとめていきます。
アニメ化していない原作も含めるとさらに細かい時系列になるので、その辺はご了承ください。
主人公達は学生なので平和な日常を送ったりしていますが、短期間で命がけの事件に巻き込まれまくっています。
特に上条さんのハードスケジュールには脱帽…。インデックスと出会ってからわずか3ヶ月後に、今度はロシアに行くことになったんですから。
時系列
7月上旬 超電磁砲(1~5話)
7月中旬 超電磁砲(6~7話) 虚空爆破編
7月下旬 超電磁砲(8~13話) 幻想御手編
7月20日~8月9日 禁書目録(1~9話) インデックスとの出会い、吸血殺し編
8月2日 超電磁砲(19話)
8月上旬 超電磁砲(20~24話) 乱雑開放編
8月中旬 超電磁砲S(2~16話) & 禁書目録(10~14話) 妹編
8月下旬~9月上旬 超電磁砲S(17~24話) 革命未明編 &
禁書目録(15~24話) 御使堕し編、打ち止め編、正体不明編
9月上旬~中旬 一方通行(1~12話)
9月中旬 禁書目録Ⅱ(1~7話) オルソラ編、残骸編
9月15~18日 『劇場版とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟』
9月下旬 超電磁砲T(1~15話) & 禁書目録Ⅱ(8~13話) 大覇星祭編
9月中旬~10月上旬 禁書目録Ⅱ(14~24話) アドリア海の女王編、0930編、武装集団事件編
10月上旬~10月中旬 禁書目録Ⅲ(1~17話) C文書編、学園都市暗部編、後方のアックア襲撃編、イギリス王室編
10月中旬~10月下旬 禁書目録Ⅲ(18~26話) ロシア編
超電磁砲が先
ここで注目するのが、時系列は超電磁砲の方が早いという点です。
超電磁砲の序盤は上条さんもちょくちょく出てきて、美琴との出会いも詳しく描かれていました。
しかし8月2日にあたる超電磁砲19話(アニオリ回)に出てくる上条さんは、美琴のことを覚えていない素振りでした。(美琴本人はパニクってたのでそれに気づきませんでしたが)
それもそのはず。7月29日にあたる禁書目録6話で上条さんは「竜王の殺息」に触れたことで、8月2日時点ではすでに記憶喪失になっていたからです。
よって美琴が記憶喪失になる前の上条さんに最後に会ったのは、超電磁砲7話になります。事情を知っている視聴者からすると、切なくなるシーンです。
妹編と大覇星祭編は並行している
禁書目録と超電磁砲がリンクしているのが分かりやすいエピソードは、なんといっても妹編です。
超電磁砲Sは8月10日から始まり、禁書目録では美琴がツリーダイアグラムを盗むなどの行いが垣間見えましたが、その辺の経緯も超電磁砲Sで詳しく描かれました。
そして8月20日に上条さんも御坂妹と出会ったのを機に、本格的に参戦。
禁書目録の10話と超電磁砲Sの11話から同じ場面が出てきて、妹編のラストまで並行します。
もう一つの大覇星祭編は、両方を見比べても同じ場面がほとんどないので、一見すると並行しているように見えません。
禁書目録では魔術師オリアナとの戦い、超電磁砲Tでは木原幻生の陰謀が描かれ、ほとんど別作品になっています。大覇星祭の最中に二度も戦った上条さんのハードスケジュールが伺えます。
また、超電磁砲Tの序盤で黒子が車椅子を使っていたのは、禁書目録Ⅱの7話の残骸編での結標との戦いで重傷を負ったからです。残骸編で脚や腹部を撃たれたにも関わらず、大覇星祭編では看取と戦った黒子にも脱帽です。
禁書目録では全く出てこない佐天さんが上条さんと出会うという、ファンならニヤリとしてしまうシーンもあります。
一方通行は退院してからの話
『とある科学の一方通行』は時系列の中で、9月上旬~中旬にポツンとのっている程度。逆に異彩を放っています。
一方通行では打ち止めや妹達、黄泉川などの既存のキャラが登場しますが、上条さんや美琴は出てきません。
禁書目録Ⅱの2話の時点では、すでに黄泉川、芳川と同居しているので、それまでの期間の話になっています。
学園都市にうごめく陰謀を、一方通行は禁書目録や超電磁砲のキャラにまで影響を及ぼさずに解決したということです。
とあるシリーズおすすめの観る順番は?
次の本題は、とあるシリーズのアニメは「どれから観たら良いのか?」というもの。
大まかには以下の通り。
禁書目録 → 超電磁砲 → 一方通行
禁書目録と超電磁砲の繋がりは特に強く、シリーズのアニメで初めて観たのは、この2つのうちのどちらかという人も多いのではないでしょうか?
人によっては、どれを先に観るのがおすすめなのか変わると思います。
禁書目録の場合
禁書目録から入るのをすすめるのは、以下のような人です(偏見)。
- とあるシリーズの世界観を知りたい
- 上条さんの活躍が見たい
- いろんなヒロインを見たい
- 骨太なバトルが見たい
- 魔術による難解なバトルや展開が見たい
とあるシリーズの基本にあたるので、無難な始まりです。
インデックスをはじめいろんなヒロインが登場しますが、全編を通して主役の上条さんの存在感が強く、彼の人物像やカッコよさを知りたい人にもおすすめです。
ただし、登場人物が多く展開も早い上に、原作では地の文で丁寧に描写されるような難解なバトルも少なくないので、一回観ただけでは理解しきれない部分も多いと思われます。Ⅲの学園都市暗部編などは上条さんが登場しない上に、いきなり多くの新キャラが出てきて群像劇要素が特に強く、混乱する人もいると思われます。
また、一方通行が主役のエピソードをはじめ、色彩的にも雰囲気的にも暗いシーンが多めです。時間帯が夜の話も多いので。
全貌を把握したい人には、やはり原作小説を手に取ることをおすすめします。小説とアニメを合わせてみると、状況やキャラの心理が分かりやすくなるので。
超電磁砲の場合
一方で超電磁砲から入るのがおすすめな理由は、以下の通り。
- 美琴や黒子達の活躍が見たい
- 分かりやすいストーリーが見たい
- ド派手な能力バトルが見たい
- 女の子たちの微笑ましい日常が見たい
どちらかというと、超電磁砲のアニメの方が見やすいです。
メインキャラクターが数人に絞られ、各エピソードのゲストキャラも禁書目録より少ないからです。群像劇要素があまりなく、基本的には美琴視点で話が進みます。
また、禁書目録では夜のシーンが多い一方で、超電磁砲は昼などの明るい時間帯のシーンが多く、画面が明るくて見やすい印象です。
漫画が原作なので、説明が必要なほど難解なシーンは少なく、能力の派手さを生かしたバトルが多いです。
一方通行はファンサービス
一方通行は最後に見ても問題ないです。
禁書目録でも一方通行が主人公の一人として活躍し、彼の人となりも禁書目録を観れば十分に理解できると思います。
また、この作品の中だけで事件が解決するので、他の作品への影響が薄いです。総じて一方通行ファンのための、ファンサービスなアニメと言えるでしょう。。
まとめ
アニメだけでも時系列が細かく設定されていて、それでも単体の作品として成立しているのがすごいですね。
まあ、主人公達が忙しすぎるという気もしますが(汗)。彼らにとって心休まる日が少ないのでは…?
アニメの観る順番も、あくまで私個人の見解なので、人それぞれ気になる作品から観始めるのが正しいです。アニメを網羅する必要もありませんし。
とあるシリーズは、「U-NEXT」で一気観視聴することが可能です。