Adoは、2022年現在、若者を中心に大人気の令和の歌姫の一人です。
『うっせぇわ』を皮切りに『レディメイド』『ギラギラ』『踊』と次々とヒット曲を出しています。
しかし、その反面Adoは叩かれることも多いアーティストの一人です。
Adoはなぜ、どこからこんなに急激に人気になったのでしょうか。
なぜ人気があるのに叩かれるのでしょうか。
Adoがなぜ人気になったのか?
まさに、中心にアマチュアが自由に楽曲を全世界に発信できるようになった現代のネット環境の象徴のような経歴です。
彼女たちをボカロネイティブ世代等と呼びますが、Adoはマーケティングの仕方もまさにボカロネイティブ世代ならではと言えるものがあります。
Adoは顔出ししない
そしてVOCALOID。
それを作るアーティストたちは、基本的に顔出しをしません。
ビジュアルや素性をあえて隠し、技術だけで勝負をする世界。それが歌ってみた動画の美学。
Adoは自分に影響を与えて育ててくれたそれらの文化を尊重して、あえて顔を出さずに活動しています。
さすがにライブまで顔出しせずに、というのは難しかったようで、2022年4月4日のワンマンライブで初めて顔出ししましたが、それ以降も2022年9月現在まで基本的に顔出しをせずに活動し続けています。
この「顔出しをしない」ことで、歌い手として不必要な情報を与えずミステリアスな雰囲気を出したのは、Adoのマーケティングの一つと言えるでしょう。
しかも若い女性でビジュアルを武器にせず芸能だけで活動するのは、とても珍しいことです。
それをあえて続けることに潔さ格好良さを感じているファンは少なくないはずです。
ちなみに、ネット時代以前にも顔出しをしなかった、したがらなかったアーティストは何人かいました。私が知る一番古い人では松山千春とか。
彼らの理由は一貫して「歌の評価に見た目の良し悪しはいらない」というものであり、何十年も前の彼らの時代からその戦略に好感を抱く視聴者は一定数いたことがわかります。
女子高生シンガー
迫力ある低音と歌唱力とは裏腹に、彼女の実態は女子高生。
そのギャップに、シンデレラストーリーめいた親近感と憧れを抱いた人も多いでしょう。
特にアイドル文化が盛んな現代、若い女性歌手と言えばかわいらしい幼いイメージで売り出されることが多い中でAdoの存在は異色を放っています。
顔も素性も隠しておきながら、『女子高生』と言う一番意外な肩書だけ前に打ち出すことで、そのギャップを強い個性として印象付けることに成功しています。
うっせぇわ
言わずと知れたデビュー曲にして代表曲『うっせぇわ』。
常識や大人社会といったものに対する若者の苛立ちや嫌悪感をぶちまけたようなこの楽曲のインパクトは抜群でした。
激しい曲調に引けを取らないAdoの歌唱力と迫力ある低音ボイスは若者を中心に絶大な支持を受け、配信して2年も経とうというのに未だ再生数が伸び続けています。
入れ替わりの激しい現在の音楽シーンでは異例の出来事です。
Adoはどこから流行った?
2020年10月15日にメジャーデビュー発表、同月23日に配信限定リリースした『うっせぇわ』がAdo本人のYouTubeチャンネルで同年11月14日に総再生回数500万回。
その後も2021年1月23日に4000万回、同年2月18日にチャンネル登録者数100万人達成、同年3月21日に1億回(公開から148日で1億回達成は歴代7位の記録)、2022年には2億回を超え、今も更新し続けています。
YouTube以外の経歴は以下の通りです。
2021年
3月15日 Billboard Japan Hot 100にて『うっせぇわ』が総合1位
3月29日 Billboard JAPANチャートにて『うっせぇわ』のストリーミング累計再生回数が1億回を突破(チャートイン17週目で1億回突破は歴代6番目の速さ、ソロ歌手としては最年少記録)
8月25日 Billboard JAPANチャートにて『踊』(4/27配信限定リリース)のストリーミング累計再生回数が1億回突破。
9月22日 Billboard JAPANチャートにて『ギラギラ』(2/14配信限定リリース)のストリーミング累計再生回数が1億回突破。
12月1日 『うっせぇわ』が同年の「新語・流行語大賞」の年間トップテンに選出
12月30日 『第63回 輝く!日本レコード大賞』にて特別賞を受賞
2022年
8月6日 劇場版アニメ『ONE PIECE FILM RED』にてヒロイン・ウタの歌唱キャスト担当
8月10日 『ONE PIECE FILM RED』劇中歌を収録したアルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』リリース
8月17日 Billboard Japan Hot 100にて、『ONE PIECE FILM RED』挿入歌『新時代』『逆光』『私は最強』が総合1~3位を獲得(TOP3独占はBillboard JAPANチャート史上初)
デビューから3年弱で様々な記録を打ち立て続けています!
Adoが叩かれる理由とは?
これだけ快進撃を続ける彼女を叩く人も多くいます。
その理由は何故なのでしょうか。
大人たちの反発
まぁ…いつの時代も、多くの大人は若い世代から強い個性が出ることを恐怖しているんですよね。
それは「自分の時代が一番」と思いたい願望だったり、
明らかに未来と伸びしろのある若い世代への嫉妬や羨望だったり、それに比べた自分たちの残り時間に対する焦燥だったり、
色んな理由はありますが、若い世代の強い個性を条件反射で忌避しようとする大人はいつの時代も多いです。
そもそも音楽は、そういう歴史の繰り返しでした。
バロック音楽しかり、ロックンロールしかり。
もっと近代で言うなら、シンセサイザーなどのデジタル楽器も、VOCALOIDも、登場当初は大人たちに叩かれまくったものです。
こんなものは音楽ではない
と。もはや通過儀礼ですね。
しかし、どんなに大人たちが出る杭を打っても、これからの時代を築く若者たちが欲するものには勝てません。
Adoに対する大人たちの反応は、これらの歴史の繰り返しのように思えてなりません。
『うっせぇわ』の印象
あまりにもデビュー曲『うっせぇわ』の印象が強烈過ぎて、『うっせぇわ』が好みでない人には煙たがられてしまっている、という側面もあります。
先述しましたが、『うっせぇわ』はあまりにも強い怒りや苛立ちをぶちまけた激しい音楽ですし、Adoの楽曲は低音と歌唱力をアピールするためにも激しめな曲が散見されるのは事実なので、攻撃的な音楽が苦手な人に避けられてしまうのは仕方がないでしょう。
でも、Adoは淡い恋心を歌った『会いたくて』等の曲もあるので、攻撃的な曲に難色を示している人も穏やかめ、明るめの曲を一度聴いてから判断していただけると嬉しいです。
『流行りもの』の宿命
どれだけ人気があっても、すべての人に気に入られるのは不可能です。
そもそも『流行もの』事態に忌避反応を示す人も常に一定数います。
ただ、『流行もの』が困りものなのは、ひっそり避けようとする苦手な人たちの生活にも無理やり入りこんでしまうことです。
テレビで、ネットで、通勤通学途中で繁華街で、流行りの音楽は毎日至る所で流されます。
避けようにも避けられない状態に
もう、うんざり!
とアンチになってしまった人も多いでしょう。
これは人気者の宿命でもあるので、ある程度は仕方のないことですが、Adoは新記録をガンガン打ち立てているアーティストなので、しばらくはアンチが増え続けてしまうかもしれませんね。
まとめ
2020年に『うっせぇわ』でブレイクし、以降数々の記録を打ち立て続ける女子高生シンガーAdo。
顔出しをせず、年齢とは裏腹な歌唱力と迫力ある低音ボイスで歌い上げる激しい曲調が魅力です。
今後も様々な経験を経て、もっと幅を広げていろんなAdoを見せてほしいですね!
今は、ワンピース映画の主題歌としても活躍していて素直に凄いと思います。